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飲む前に読む・二日酔い防止術

アルコールを順調に代謝するためには、丈夫な胃と肝臓が必要です。ツラい二日酔いを防ぐために、胃と肝臓をアルコールから守る成分・食材を知って、飲みに備えましょう。

お酒を飲む前に食べる

アルコールを順調に代謝するためには、丈夫な胃と肝臓が必要です。まず胃と肝臓をアルコールから守る成分を食べて、「飲み」に備えましょう。また、日頃からこうした成分をサプリメントで補っておくのもおすすめです。

成分 食材 はたらき
クルクミン ウコン 胆汁の分泌を促進し、肝臓全体の解毒作用を高めるといわれています。普段から摂取し肝機能を強化するのがおすすめ。
セサミン ゴマ 活性酸素を取り除き、肝機能を高めてアルコール代謝を促すといわれています。アルコールを飲む前にサプリメントなどで補いましょう。
シリマリン マリアアザミ 肝臓の細胞を修復し、保護する作用があるといわれています。アルコール性の肝炎などに有効という説もあります。
脂肪 ヨーグルト、牛乳など 乳製品に含まれる脂肪が胃に膜を張って、アルコールの吸収を穏やかにしてくれます。お酒を飲む30分~1時間前に摂取しておきましょう。

お酒を飲みながら食べる

乾杯の後、飲む方にばかり一生懸命になってはいけません。「飲みながら食べる」ことが、二日酔い防止術の鉄則です。アルコール代謝を助ける成分をおつまみなどで補いましょう。

成分 食材 はたらき
動物性・植物性たんぱく質 肉、魚、チーズ、豆腐、枝豆など 肝臓がアルコールを代謝する際に必要な成分。焼き鳥や刺身、枝豆が酒の肴の定番だったり、ワインとチーズのセットも理にかなっています。
ビタミンB1 ネギ、ニラ、にんにくなど 肝臓のアルコール代謝に必要な成分。ネギやニラ、にんにくに含まれるB1はアリシンという物質との複合体で存在し、体内に長くとどまることができます。
ビタミンC イモ類、小松菜、ブロッコリー、ピーマンなど アルコール代謝に不可欠であると同時に、アルコールによって腸管からの吸収が阻害されてしまうビタミンC。食事でしっかり補いたいものです。
ビタミンE ナッツ類 アルコール代謝を促進するはたらきがあります。ただし、高カロリーなので、くれぐれも食べ過ぎないようにしましょう。

飲んだ後に食べる

すでに二日酔い状態の場合は、アルコールの代謝を促進することと、アルコール分解の途中で生じたアセトアルデヒドの分解を促すことを心がけましょう。まずは水分を摂取し、食欲が出てきたら栄養補給をしましょう。

成分 食材 はたらき
水分 スポーツドリンク、ミネラルウォーターなど まずはアルコール代謝で消費された水分の補給をします。スポーツドリンクなら、不足しているビタミンやミネラルも一緒に補うことができますが、普通の水でももちろんOKです。
果糖 オレンジジュース オレンジに含まれる果糖はアルコールの分解を早め、ビタミンCはアセトアルデヒドの分解を促進してくれます。
タンニン、カタラーゼ タンニンは胃の粘膜を収縮させ、アルコールの吸収を穏やかにします。カタラーゼなどの酵素はアルコールの代謝を活発にさせる作用があります。さらにビタミンCも豊富です。
タウリン シジミの味噌汁 シジミに含まれているタウリンが肝臓の解毒作用を促し、アセトアルデヒドの分解も促進します。また、メチオニンというアミノ酸やビタミンB12、グリコーゲンには肝機能を高める作用があります。
クエン酸 梅干 各栄養素がアルコール分解に使われ、体の細胞は一時的にエネルギー不足になってしまいます。そんなときはクエン酸をとり、エネルギーを生み出す回路(クエン酸回路)を活発にはたらかせましょう。
カフェイン コーヒー カフェインの覚醒作用により、頭がシャキッとします。またアセトアルデヒドの代謝を促進したり、利尿作用によって老廃物を体内から追い出したりする作用もあります。

さて、ある程度酔いがさめ、元気が回復してきたら、ぬるめのお風呂に入ったり、ウォーキングなどの軽い運動を行いましょう。血流がよくなり、アルコール分解がさらに早まります。ただし、飲酒直後は絶対にNGです。肝臓への血流が減って機能が低下するばかりか、心臓に負担がかかり、命を落としかねません。
また、迎え酒も×。アルコールで脳を麻痺させ、一時的に血糖値を上げて頭痛や吐き気を抑える効果はあるものの結局はさらにひどい二日酔い状態を招くことになります。迎え酒が習慣化すれば、アルコール依存症にも近づいてしまいます。