乳酸菌は骨密度が気になる人にもおすすめです。そのワケは、乳酸菌と骨との関係にあります。乳酸菌がつくる「乳酸」には、カルシウムの吸収を促すはたらきがあるため、一緒に摂れば骨も丈夫になります。ヨーグルトやチーズなら、乳酸菌もカルシウムも一度に摂れるので便利です。
ヨーグルトや乳酸菌飲料など、食べ物で摂った乳酸菌は、体内に入ると、2種類にわかれます。ひとつは「生きたまま」腸まで届くタイプ、もうひとつが胃酸などの影響で死滅してしまうタイプです。
生きて腸に届いた乳酸菌は、腸内に定住している善玉菌が増えるのを促す一方で、みずから悪玉菌を退治する働き者となります。この乳酸菌のバックアップを得た善玉菌は、パワー全開。病原菌を撃退し、コレステロールの上昇を抑えるなど、多方面に活躍し、美肌と健康を押し進めてくれるのです。
もちろん、途中で死滅してしまった乳酸菌も決してムダ死にではありません。これらは食物繊維と同じように、退治された悪玉菌を吸着して外へと排出するのにひと役買い、腸内をすっきりキレイにしてくれます。
また、乳酸菌には虫歯を予防するはたらきをはじめ、アトピーや花粉症などのアレルギーを抑えるはたらきがあることもわかってきています。
代表的な腸内の定住菌の名前:乳酸菌、ビフィズス菌、乳酸棹菌
主なはたらき:
代表的な腸内の定住菌の名前:大腸菌、ウェルシュ菌、ユウバクテリウム、バクテロイデス
主なはたらき:
さらに興味深いのが、乳酸菌と骨との関係です。乳酸菌がつくる「乳酸」には、カルシウムの吸収を促すはたらきがあるため、一緒に摂れば骨も丈夫になります。ヨーグルトやチーズなら、乳酸菌もカルシウムも一度に摂れるので便利です。
日本人は昔からカルシウム不足といわれますが、特に女性の場合は深刻です。それは閉経後、ホルモンのバランスがくずれて骨粗しょう症の危険性が高まるから。「乳酸菌+カルシウム」を積極的に摂るようにしましょう。加えて、骨を丈夫にするためにも、大豆イソフラボンも摂るとよいでしょう。イソフラボンは、骨からカルシウムが溶け出すのを抑え、骨量を調整するはたらきが期待できます。
出典:平成13年国民栄養調査「年齢階級別 栄養素等摂取量」
乳酸菌を手軽に摂るなら、やはりヨーグルトを食べるのが簡単でしょう。しかもヨーグルトには、善玉菌の栄養源となる乳糖まで含まれているのですから、腸内バランスの改善に効果的です。
ただし、ヨーグルトといっても種類は多種多彩。機能性がうたわれているものも多いのですが、私たち一人ひとりの体との相性もあるため、相性が合わなければ効果が期待できないこともあり得ます。この相性の善し悪しを見分けるには、実際に試してみるほかありません。少なくとも1週間は続けてみて、体調を見てみましょう。
また、乳酸菌が生きたまま腸まで届くタイプの乳酸菌でも、腸に定住することはほとんどありません。たとえ同じビフィズス菌でも、腸内に住むものと食べ物などで摂るものでは種類が異なります。つまり、乳酸菌は「今日摂ったから、もういい」というものではなく、定期的に摂ることこそが大切なものだといえるでしょう。そこで、ヨーグルトの場合の乳酸菌の上手な摂り方を紹介します。
さらに、ツルスベ美肌をめざすなら、ビタミンCと組み合わせるのがおすすめです。実はヨーグルトには、「美容ビタミン」とも呼ばれるビタミンB2をはじめ、ビタミンAなど、肌を美しく整える成分がたっぷり。たんぱく質も消化吸収の良いカタチで含まれているのですが、残念ながらビタミンCが含まれていません。補うためにも、フルーツ入りヨーグルトにしたり、ビタミンCのサプリを一緒に摂るなどすれば、美肌度もグンとアップするはずです。