健康診断や受診を続けながらも自発的に自分の健康状態をチェックし、データをまとめておけば、医師も患者の健康状態を把握しやすくなる。セルフチェックデータはぜひ、医療へ生かしたいもの。
受診の際には、待ち時間に医療機関で血圧測定や体重測定、体温測定などを行うことも多い。しかし、少しでも自分の健康状態が気になる人は、健康診断や受診を続けながらも自発的に自分の健康状態をチェックし、データをまとめておこう。それを持って、医師に見せると、医師も患者の健康状態を把握しやすくなる。
医師からとくに求められていない場合でも、患者自らがこうしたデータを持参したことで、病気の早期発見につながったり、治療の方向性を早めに決めやすくなったというケースもたくさんある。記録したデータは自己管理に役立てるだけではなく、積極的に活用しよう。
健康への関心が高まる中、最近では、実際に測定したデータをパソコンなどに取り込むことで、アドバイスやデータの管理などをサポートしてくれるソフトやサービスの付いた機器も市販されている。こうした健康管理システムを利用すれば、手軽にデータが取り出せるので、より便利。
健康管理システムのメリットは個別のデータだけではなく、いくつかのデータを複合的に管理できるところ。受診の際にも、できればすべてのデータをいっしょに持参することをオススメする。もちろん、測定は定期的、継続的に行っておくこと。
血圧は、1日の中では安静の続く睡眠時が最も低くなり、体が活動的になる夕方近い時間帯が最も高くなる。また、夏には体の熱を逃がすために血管が拡張し、冬には熱を蓄えるために血管が収縮するため、年間では夏より冬の方が高くなる。
さらに、温かい部屋から急に寒い部屋に移動したときや、ストレスを受けたときには血管が収縮し、血圧が上昇する。
このように、血圧値は状況によって大きく変化しやすいもの。たとえ1度の血圧測定で測定値が正常の範囲内だったからといって、循環器系疾患などのリスクがまったくないとは限らないし、逆もまたしかり。基準値は便宜的な分類に過ぎないため、あくまでも目安として用いよう。
基本の心電図の波形
リズミカルな収縮と拡張を繰り返す心臓。心臓は、収縮するときに微弱な電気を発するが、この電流の変化を波形のグラフとして記録したのが心電図である。1回の収縮ごとにP、Q、R、S、Tなどの波が記録され、その波形の動きを見ることで、心疾患の発見の手がかりにもなる。
例えば規則正しいリズムが乱れた場合には不整脈が疑われ、また発作が起こったときにST部が下がっているようなら狭心症が、症状が急にあらわれたときにST部が上昇して、その後も変化しているようなら急性心筋梗塞の可能性が疑われる。こうした心疾患によるリスクを回避し、突然死を防ぐためにも、継続的な心電図検査の必要性はますます高まっていくだろう。
ただし、データを見て自己判断せず、おかしいな?と思ったら医師の診察を受けるように。