疾患・特集

チェックしてこそ効果があがる!

せっかく始めた食生活や運動、喫煙など日々の予防策。きちんと効果が出ているかどうか、こまめにチェックしましょう。数値などで改善効果が実感できれば途中で挫折することも防げるはず。年に1回の定期健診や、家庭でできるセルフチェック法をご紹介します。

健康診断を受けよう

健康診断の受診率 平成10年「厚生省・国民生活基礎調査」

生活習慣病は、初期のころは自覚症状がないものが多く、自覚症状が出るころにはかなり重篤な病気に進行していることもあります。つまり、自覚症状を待っていては手遅れということも。

そこで、最も手軽に受けられるのが健康診断です。サラリーマンなら職場や健康保険組合で実施している定期健診がおすすめです。また、自営業の人や家庭の主婦でも40歳以上の国民はすべて年に1回、無料で健診が受けられます。ただし、検査項目は必要最小限に限られているため、40代からはできれば人間ドックなどを利用したほうが安心です
「忙しくて、そんなもの受けられないよ!」と言っていては、「短い人生だったね」なんてことになりかねません。

家庭でこまめに体重チェック

年に1回の健診以外にも、もっとこまめにチェックして欲しいのが体重です。おそらく、どの家庭にも1台くらいは体重計があるとは思いますが、できれば生理的な老化がはじまる30代になったら、体重計と体脂肪計を備えるようにしましょう。
肥満は生活習慣病の入り口とも言える病気です。しかし、肥満そのものは「ちょっと体が重くなったかな」「ベルトの穴が外側になったかな」程度の自覚症状しかないため、何の対策も立てずにそのまま放っておく人が少なくありません。肥満を予防するということは、自分の体重や体脂肪、肥満度をきちんと把握することから始まります。

BMIによる肥満の測定

  • 1. まず、体重を身長の2乗で割ってBMIを求めます
  • 2. BMIの値をもとに肥満度を測定します

あなたはりんご型?洋なし型?

W/H 比 = ウエスト ÷ ヒップ

cm ÷ cm

男性…1.0以上、女性…0.8以上が上半身肥満

例:ウエスト(w)74cm、ヒップ(H)91cmの女性の場合、W/H比は70cm÷91cm=0.81となり、0.8以上…上半身肥満(りんご型)と判定されます。

オシッコで自己管理

人間の生理現象のひとつである尿は、体のさまざまな状態を教えてくれるスグレモノ。これも自分でチェックしやすいもののひとつです。
チェックするポイントは、「色」「ニオイ」「量」「回数」など。いつもとちがうオシッコだと感じたら、病院へ行きましょう

尿のチェックポイント

■尿の色

健康な人の尿は淡黄色で透明です。黄色の程度は、水分を多くとれば薄くなり、汗をかいたり水分が不足すれば濃くなります。血液、膿、塩類、細菌、精液、便などが混じった場合には、赤くなったりにごったりするので要注意です。

■尿のニオイ

健康な人はわずかにアンモニア臭がします。ただ、食事の内容によっても変化します。また、糖尿病を患っている場合、尿が果実のような甘酸っぱいニオイになります。

■尿の量

1日1,500cc前後の尿量があります。水分を多くとれば多くなり、汗をかいたり下痢をすれば少なくなります。ただし、1日の量が100cc以下だと無尿、100~400ccの場合は乏尿といって腎臓になんらかの異常が起こっている場合があります。また、2,500cc以上の場合は多尿といってやはり腎不全などの疑いがあります。

■尿の回数

健康な人は日中に4~5回、夜間に0~1回排尿します。この回数が異常に多くなったものを頻尿、少ないものを稀尿といいます。頻尿は膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、尿路結石などの疑いがあります。

トイレ

また、家庭用の尿検査試験紙も普及しています。尿を紙コップに取り、尿試験紙を浸します。その色の変化を色調表と比べて最も近い色を結果とする方法です。
さらに、最近ではトイレで尿糖値が測定できるものもあります。紙コップで尿を取る必要がなく、普通に用を足せば、その場で約1分間で測定が可能です。尿糖値が気になる人は、利用してみるのもいいでしょう。

公開日:2003年2月3日