1日の総消費エネルギー量の約7割も占めている基礎代謝量ですが、加齢とともに急下降してしまう。筋トレで「下げ止まり」を狙い、ダイエットに利用しよう。
これまでダイエットは「体重」や「体脂肪」に注目して語られることが多かった。もちろん、両者ともダイエットには欠かせないキーワードだが、さらに注目したいのが「基礎代謝」という言葉。
基礎代謝とは、「生きていくために最低限必要なエネルギー」のこと。
1日の総消費エネルギー量は、この基礎代謝のほかに生活活動代謝量(日常生活や運動で使われるエネルギーのこと)とDIT(=食事誘導性体熱産生。食物を食べる際、咀嚼や吸収、消化などで使われるエネルギーのこと)に分かれる。このうち約6~7割を占めているのが基礎代謝量である。
ダイエットのために消費エネルギーを上げようとする場合、運動などで生活活動代謝量を増やしていくわけだが、まずは基礎代謝量を上げて、同じ生活環境でもカロリーを消費しやすい=太りにくい体になることを目指すほうが効率的だ。
ところでこの基礎代謝、年齢と性別によって大きく違う。20歳前の成長期にピークを迎えた後、徐々に減っていき、一般的に40歳前後で一気に下降してしまう。その結果、食べる量が同じなのに太ってしまうことに。やっぱり中年以降は太りやすい体に変わっていくのだ。
年齢 | 基礎代謝量 kcal/日(男/女) |
エネルギー所要量 kcal/日(男/女) |
---|---|---|
18~29 | 1,550/1,210 | 2,000/1,550 |
30~49 | 1,500/1,170 | 1,950/1,500 |
50~69 | 1,350/1,110 | 1,750/1,450 |
70以上 | 1,220/1,010 | 1,600/1,300 |
出典:「第6次改訂日本人の栄養所要量について」厚生労働省、「2002新食品成分表 FOODS」一橋出版
基礎代謝量を決めるのは筋肉量。同じ身長・体重でも、脂肪が少なく筋肉量が多い人のほうが基礎代謝量が高くなり、消費エネルギー量も多くなる。
しかし残念なことに、筋肉量や筋力は成長ホルモンの低下やたんばく質合成の低下によって30代をピークに徐々に落ちていくもの。こうして基礎代謝は歳とともに減り続けるわけだ。一度下降した基礎代謝は、もう二度と増えることはないのだろうか?
だが、安心して欲しい。加齢に伴い落ちていく基礎代謝を思春期レベルにまで戻すことはできないが、筋肉は30代、40代でもトレーニングすることで十分つくものだ。
要は、「いかに基礎代謝を下げないか」が大切なのである。
さて、あなたの基礎代謝は低下していないだろうか?以下の項目で多くチェックが入った人はご用心!