疾患・特集

ニアウォーターとスポーツドリンク

「ほんのり甘い」けど「低カロリー」でビタミンやカルシウムが入って体にも良い水として人気の「ニアウォーター」。その人気の秘密とは?スポーツドリンクとはどう違うのでしょうか?

ニアウォーターって何?

ニアウォーター

「ニアウォーター」に明確な定義はありませんが、一般的に水にビタミンやカルシウムなどの栄養素や果汁を加えた飲料のことをいいます。

人気の秘密は、ジュースなどよりも甘さ控えめでカロリーが低いこと、ミネラルや栄養素が入っていること、そして何よりも水のような無色透明感が「添加物なし」で体によさそうな印象を与えることでしょう。

ニアウォーター人気を支える果糖

ニアウォーターの「甘さ控えめローカロリー」の秘密は、これまでジュースなどにはあまり使われなかった糖類、「果糖」にあります。果糖は甘味の強い果汁や花に含まれる単糖類のこと。特にはちみつなどに多く含まれています。果糖はしょ糖(砂糖)を酸あるいは酵素で分解する方法などによって作られます。

果糖は糖類の中では最も甘味が強く(しょ糖の1.3~1.7倍)、低温で使用するほど甘味が増す特徴があり、一部の清涼飲料のほか、ヨーグルト・ゼリーなどの冷菓やケーキ、カステラなどに使われています。現在、日本ではあまり生産されていないため、ほとんどがアメリカなどからの輸入に頼っています。

スポーツドリンクとどこが違うの?

暑い季節、ニアウォーターに負けず消費されるのがスポーツドリンクです。体に必要なものが含まれているという売り文句は同じですが、具体的な中身は少し異なります。
ニアウォーターに含まれるのは、普段生きていく上で必要な栄養素(カルシウムなど)。
一方、スポーツドリンクは、運動などで汗をかいたときに、水分とともに失われるミネラル分が含まれている、または、汗とよく似た構成の電解質(イオン)を含んでいるというのがポイントです。
しかし、厳密に見ると、汗とよく似た成分を含むものばかりではないようです。

こんなところに、注意しよう!

  • 汗には0.03%~0.9%くらい塩分が含まれていますが、まったく食塩を含まないスポーツドリンクもあります。
  • 疲労回復のために有効なビタミンCを含んでいるものもあります。
  • ほとんどのドリンクには、飲みやすくするために糖質が加えられています。

どちらも「飲みすぎ」に注意!

ニアウォーターもスポーツドリンクも「体に良い」を売りにした飲料水です。でも、「それを飲んでいれば健康的」というのは、大きな誤解。イメージだけに捕らわれないようにしましょう。

●そもそも、食生活に問題がなければ、あえて飲む必要はない

体に良い栄養素を含んでいるといっても、1日に必要な量からすれば、わずかなものです。ニアウォーターを飲んでいるからといって、野菜を食べなくてもいいということにはなりません。普段きちんとした食生活ならば、本来は必要がないともいえます。

●スポーツドリンクが必要なほどの「スポーツ」をしている?

サッカーやバスケットボールなどの激しい運動を行うような人ならともかく、1日20分のウォーキングをする程度なら水だけでも大丈夫です。

●うまく使ってダイエット!そして飲みすぎない!

コーラや甘いジュースに比べたら、ニアウォーターは、はるかに低カロリーで健康的です。「どうしても、1日1本は甘い物を飲みたい」という人は、まずはコーラなどから段階的に切り替えていくのに使うのはよいでしょう。ただし、低カロリーでも飲み過ぎては水の泡…。1日1本を目標に、あとは水などにすることから始めましょう!