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若々しくいるための中年期の過ごし方(体力編)

身近な早期老化症候群である動脈硬化を防ぐためには、「ウォーキング」を続けるだけでも十分効果があります。アクティヴな老後を送りたいなら、体の柔軟性や全体的な筋力の維持を心がけましょう。

動脈硬化を防ぐウォーキング

ウォーキング

身近な早期老化症候群である動脈硬化を防ぐためには、バランスのとれた食生活や日常的な運動が必要です。といっても、特別なことをすることはありません。1日30分くらい速足で歩く「ウォーキング」を続けるだけでも十分効果があります。通勤や買い物のときに、意識的に「速歩き」するようにしてみましょう。歩くときは、両腕をしっかりふって、歩幅も普段より大きくするよう心がけましょう。

皆さんは、「足は第2の心臓」「老化は足から」などという言葉を聞いたことがあるでしょうか?体内でも最も筋肉が多い部分が、体を支える下半身です。歩くことによって下半身を十分動かし、筋力を保つことができます。また、ウォーキングを継続することで、血液中の余分な糖分や脂肪分を消費するなど高脂血症や糖尿病予防にも効果があります。さらには、体内の血液循環がよくなり、血管を強くすることで動脈硬化の予防にもなるのです。

1日に運動で消費したいカロリーは100~200kcal。急ぎ足で歩いて100kcal消費するためには、25分くらい歩く必要があります。通勤時には1駅分遠くまで歩いてみる、家庭では少し離れた店まで買い物に行くなどそれなりの工夫は必要です。
最初から毎日行うのがきつい人は、まず、1週間に2回くらい30分~1時間のウォーキングをし、普段はなるべくまめに動くよう心がける、というところから始めるといいでしょう。

余裕のある人はスイミングに挑戦してみよう

スイミング

このほかおすすめのスポーツは、スイミングやサイクリングです。スイミングは自分のペースでできる全身スポーツです。腰痛や変形性ひざ関節症などで、歩くのが大変な人でも楽しめます。サイクリングはゆっくりでもある程度の距離を走るようにしましょう。

テニスなどのスポーツを始めるのもいいですが、血糖のコントロールや肥満解消が目的なら、試合を真剣にやるよりもウォームアップの打ち合いなどを長時間行うほうが効果的です。後者の方が有酸素運動になるからです。エアロビクスなどに挑戦するときも、最初は初心者向けのリズム体操がおすすめです。何度か行っても息が切れなくなったら、少し激しいものに挑戦してみましょう。運動を続けるうちに身体が慣れ、激しい動きも有酸素運動でできるようになります。

無理のない筋力トレーニング・ストレッチの習慣も

20~30代に年齢を感じるきっかけとして多いのは、「最近、体が硬くなった、体力がなくなった」など運動能力の衰えでしょう。体の柔軟性や全体的な筋力の衰えが進むと、ちょっとした原因で骨折をしてしまう、腰痛や肩こりなどに悩まされやすい、体がすぐに疲れてしまうため外出をしぶるようになるなど、アクティヴな老後が送りにくくなってしまいます。
したがって、ウォーキングの前後の準備運動もかねて、ストレッチを行うなどして身体の柔軟性を保つよう心がけることも大切です。

筋力トレーニングについては、ダンベル体操などを1日15分程度行うだけでも、筋力の持続に効果があるようです。しかし、これまでほとんど運動していなかった人が、ウォーキング、ダンベル体操と1度に始めてしまうと、結局無理することになって長続きしません。
最初はウォーキングとストレッチだけから始めて、ある程度続いたら筋力トレーニングも少しずつ取り入れるなど、長続きさせることを目標とした計画を立てるのが一番です。