花粉症のくしゃみ・鼻水・鼻づまり・涙は、花粉が何か悪さをして出させているわけではなく、体が必要と思って出しているものです。そのはたらきを見てみましょう。
花粉症のツライ、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・涙…。本来は人間に害がないはずの、スギなどの花粉に過剰反応して出るものです。これらは、花粉が何か悪さをして出させているわけではありません。体が必要と思って出しているのです。それぞれきちんと、わけがあっての反応なのです。くしゃみや鼻水を恨む前に、そのはたらきを見てみましょう!
鼻やのどに花粉などの異物が侵入してきた時、その攻撃の先鋒として出るのがくしゃみです。くしゃみは、粘膜から異物を吹き飛ばす役割をしています。
東京都立衛生研究所の検査・測定によると、せき・くしゃみは驚くべき勢いで、のどや鼻の粘膜についた異物を除去することが分かっています。下の測定値は、花粉ではなく、風邪などのウイルスを飛ばす場合ですが、そのパワーを推し量ることができます。
除去技 | 飛距離 | ウイルス除去数 |
---|---|---|
せき | およそ 2m | 約10万個 |
くしゃみ | およそ 3m | 約200万個 |
くしゃみに続いて現れるのが鼻水。鼻の中に入った異物を洗い流すためのものです。普段、鼻水は1日に約1リットル出ていると言われています。花粉症では、その何倍も出てしまうのだから大変です。
こうしたことが眼でも行われると、涙がボロボロという状態になってしまいます。涙は普段、1日約2~3ミリリットル。乾燥や異物から守るため、常に循環しながら「薄い膜」のように眼をおおっています。
鼻水・涙ともに、ウイルスなどの侵入を抑える役割を果たしています。