「見る聴診器」超音波検査は心臓などの動きをモニターで観察でき、簡単に行え、X線などの被曝の心配や苦痛がまったくありません。超音波検査で最もよく見つかるのが胆のうポリープや胆石、腎臓結石です。その予防のための生活改善をアドバイスします。
検査名 | 検査方法 | 見つかる異常・病気 |
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心臓超音波検査 (心エコー) |
心臓の形を見る形態的診断、心臓の実際の動きを見る機能的診断 | 心臓弁膜症、心筋症、狭心症、心筋梗塞、大動脈瘤、心膜炎など |
腹部超音波検査 (腹部エコー) |
腹部の病気の診断、腹腔内の腹水や出血 | 肝硬変、胆のうの病気、膵臓の病気、大動脈瘤、前立腺肥大など |
超音波検査はちょうど、魚群探知器と同じ原理です。人間の耳に聞こえないほど高い周波数の超音波は、臓器や組織の境目で反射する性質があります。従って、超音波を体外から発射し、返ってきた反射波を受信して画像として再構成して映し、その状況を見ることができます。
腫瘍など体に異常があると、その反射時間にズレが生じ、発見できます。心臓などの動きをモニターで観察でき、簡単に行え、バリウムなどを飲む必要もなく、X線被曝の心配や苦痛がまったくありません。しびれたりも決してしません。
しかし空気や骨が超音波を通しにくいため、肺・胃腸など、内側が空洞の臓器、および骨の観察には適しません。これらの影になる部分も検査できません。
超音波の何よりのメリットは人体にまったく無害で副作用がないことでしょう。その利点を生かし、最近は胎児の診断によく使われています。胎児の性別、奇形や先天的な異常、成長の過程を画像で見守ることができるようになりました。
さて、気になる自分の体の中。あなたの体の中には何か見つかるのでしょうか?特に超音波検査で発見されることの多い病気について見てみましょう。
※注:検査の数値はあくまでも「めやす」です。異常が見つからなかったから一安心、というわけにもいきません。超音波の届かないところは調べられないからです。不安があれば必ず、詳しく調べるようにしましょう。
胆のうポリープ | 10ミリ以上は手術が必要。まれにがんの場合もある |
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胆石 | 年に数回の胆石発作があれば手術が必要 |
腎臓結石 | 小さい結石は自然に排泄されることもあるが、外科的に取り除くと楽になる |
肥満はただでさえ、生活習慣病の敵です。その敵が検査までも邪魔をします。
超音波検査は、体の外側から行うため、太っていると超音波が目的の臓器に十分届かなくなってしまい、きれいな画像が得られなくなるというのです。特に膵臓(すいぞう)は胃の後ろにあるため、太った人では見えないことも。
また便秘ぎみの人は、お腹にガスがたまりやすく空洞ができてしまい、超音波が届かず画像が映りにくくなります。前日に申し出てガスをとる薬をもらいましょう。