生活習慣病のひとつとも言われるようになった心の病。たくさんの食べ物に囲まれている現代だが、心は栄養失調となり人間にふさわしくない食卓となっているのかもしれません。「食」において、何が脳・心にとって大切なのでしょうか?
では、現代の生活と照らし合わせてみて、不足している、あるいはより意識的にとった方がいいものは何でしょうか?
ビタミンA、C、そしてB群(B1、B2、B6、B12)などが重要です。A、Cは体と心をストレスから守ってくれます。そしてビタミンB1は、体の中でブドウ糖をエネルギーに変える酵素のサポートをすることで、脳内物質の代謝を良くし、心を落ち着かせます。不足すると神経伝達物質セロトニンが少なくなり、脳のはたらきが鈍くなる、集中力に欠ける、すぐカッとなる、体がダルくなりイライラする、気分がふさぐ、不安になるということにつながるようです。
カルシウム・マグネシウム・鉄分が精神に関わります。カルシウムは神経の鎮静作用をもたらします。しかし、加工食品に多く含まれるリンと結び付きやすく、リンが過剰になるとカルシウムと結合しリン酸カルシウムとして体外に排泄されてしまいます。貴重なカルシウムがますます減ってしまうことに…。加工食品が良くないというのは、こういうところにも原因があります。マグネシウムは、不足すると無気力や集中力の低下につながります。鉄分は不足すると、貧血による疲れ、ボーっとする、気力がなくなります。
ご存じの通り食物繊維は、それ自体に栄養がありません。しかし、脳や心にとって有害な物質に囲まれている現在、それらを腸から吸収される前に排出してしまう食物繊維の任務はとても重要です。それでなくとも、便秘になれば誰だってイライラしたり、ボーっとするなど集中力が低下します。また、いわゆる食物繊維を含んだ食品は現代では摂取しにくいビタミンやミネラルを含んでいることが多いのでおすすめです。
上にあげた3つの栄養素を含む、具体的な食品は以下の通り。毎日の生活の中で美味しく食べるようにしましょう。
ビタミンB1 | 玄米、豚肉、ピーナッツ・小豆などの豆類、しいたけ、にんにく、緑黄色野菜、牛乳 |
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ビタミンB2 | レバー、肉、卵黄、緑黄色野菜 |
ビタミンB6 | レバー、肉、魚、牛乳、卵、豆類 |
ビタミンB12 | レバー、肉、魚、緑黄色野菜 |
ビタミンA | 緑黄色野菜、うなぎ |
ビタミンC | 野菜類、柑橘類などの果物 |
カルシウム | 牛乳、チーズ、小魚、小松菜、大根葉、ひじき、干しえび |
マグネシウム | 玄米、ワカメ、昆布、大豆製品、ほうれん草、イワシ |
鉄分 | レバー、小松菜、ほうれん草、ひじき、海苔、大豆製品、卵 |
食物繊維 | 根菜類、いも類、海藻類、こんにゃく、たけのこなど |