疾患・特集

栄養ドリンクは本当に効くのか

飲むと不思議に力が湧いてくる栄養ドリンク剤。栄養ドリンク剤の効き目の秘密とは?常用した場合の体への影響も知っておきましょう。

ドリンク剤を飲むと力が湧くのはなぜ?

朝までに仕上げなければいけない仕事がある、でもちょっと疲れ気味。風邪気味で朝から調子悪い、でも大事な会議がある。
こんなとき、ドリンク剤を1本グイッと飲むと、不思議と元気が出てきます。

でも、なぜこんなに効くのでしょうか。もしかして「よしっ飲んだぞ」という心理的作用だけなのでしょうか。
そこで、ドリンク剤の成分を調べてみました。商品によって違いはありますが、よく含まれているのは次のようなものになります。

ドリンク剤の主成分

アルコールについては、「アルコール0.9ml以下」などと表示してあります。アルコール入りのものは、飲んですぐ元気になりたいという短期的効果を狙うときに効きます。一種の興奮剤のようなものでしょう。ただし、効き目がきれるとドッと疲れが押し寄せるようです。
逆に、ビタミン補給のためなど、体の慢性的な不調を改善したいなら、アルコールを含まずビタミンがたっぷり配合されたものを飲むとよいでしょう。
生薬とは、ニンジン、ローヤルゼリー、イカリ草などのこと。強壮強精、食欲増進などの作用があります。

ところで、最近よく聞くタウリンとは何か知っていますか?これはカキなどの食品の中に多く含まれるもので、副作用もなく、積極的に摂ると肝臓の機能を高めてくれるもの。さらに血液中のコレステロールを下げて生活習慣病の予防にも役立つという、いいことづくめのスグレモノなのだとか。近年、薬や栄養剤にどんどん取り入れられるようになってきています(成分表にはアミノエチルスルホン酸と表示されています)。

常用しても体に害はない?

ドリンク剤は、定常的に飲むことによる害はあるのでしょうか?さっそく専門家に聞きました。

成分として含まれているアルコールやカフェインは嗜好品であるため、依存症になる可能性があるとのこと。またドリンク剤には、脳のはたらきを活性化させる(頭をスッキリさせる)ために、糖分がたくさん含まれているものも多く、毎日飲みつづけると糖尿病につながる可能性もあるということです。
さらに、自らの経験からこうアドバイスしてくれました。

何日も飲みつづけるのは避けたほうがよいと思います。あとから無理をした反動がきます。つまり、明日がレポートの提出で、『何が何でも今晩中に書き上げなければならない、でも今晩だけ頑張れば明日の夜はゆっくり休める』というときには、良いかもしれませんね。」

「効きにくい体質だから」などとまとめ飲みするのは、もってのほか。カフェインの血中濃度があがってイライラや頭痛を起こすなど、副作用のもとになります。

ドリンク剤は「飲み合わせ」に注意!

ドリンク剤に含まれるアルコールとカフェインが、ほかの薬との飲み合わせで障害を起こすことがあります。むやみやたらに飲まないようにしましょう。

ドリンク剤は「飲み合わせ」に注意!

  • 風邪薬や気管支拡張剤と一緒に飲まない
    カフェインと、これらの薬の成分との相互作用により、頭痛を起こすことがあります。
  • 睡眠薬や血糖下降剤(糖尿病治療薬)と一緒に飲まない
    アルコール入りのドリンク剤の場合、これらの薬を一緒に飲むと、睡眠薬の効力が強くなりすぎたり、血糖のコントロールができなくなることがあります。