疾患・特集

ビタミンのはたらきを知ろう

ビタミンのはたらきとその欠乏症を知れば、どれだけビタミンが大切なものか、わかります。それぞれのはたらきをまとめました。

なぜビタミンが必要?

ビタミンはよく機械の潤滑油にたとえられます。機械(体)を長持ちさせ故障を防ぐために、つねに必要とされるものということです。簡単にいえば、「体のはたらきを助けて、その調子を整えてくれる栄養素」です。

ビタミンは全部で13種類。それぞれが一体どんな風に「体のはたらきを助けてくれる」のか、まとめました。

ビタミンの種類とはたらき

★の数が多いほど欠乏症になりやすい

ビタミンの種類 欠乏度 主なはたらき 欠乏すると
ビタミンA★★★ 目に栄養を与え、風邪の予防には欠かせない。
目の機能を正常に保つ。粘膜や皮膚を強くする。抗がん作用。
夜盲症、眼球乾燥症、皮膚がかさつく、免疫機能が低下する。
ビタミンB1★★★ 糖質を分解し、疲労感の回復に役立つ。
糖質の代謝を促進する。中枢神経・末梢神経のはたらきを正常に保つ。食欲を増進させる。
脚気、食欲不振、だるくなる、胃腸障害、イライラする。
ビタミンB2★★★ 動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果的。
細胞の再生やエネルギー代謝を助けます。目・口・皮膚の粘膜のはたらきを正常に保つ。
角膜炎、口唇・口腔・鼻など皮膚や粘膜の炎症、目の充血。
ビタミンB6★★ アレルギーにも力を発揮する。
たんぱく質の利用効率を高める。脂肪肝を抑制する。抗アレルギー作用。
湿疹、皮膚炎、神経過敏症、不眠症
ニコチン酸(B群の仲間)★★ 酵素のはたらきを助ける。
酵素のはたらきを助けて体内の化学反応を促進する。
口内炎、皮膚炎、胃腸障害、精神神経症状
パントテン酸(B群の仲間) コレステロールをコントロールする。
特に脂肪の分解・合成に重要な役割を果たし、いわゆる善玉コレステロールを増やす。抗ストレス。
疲労、胃腸障害、精神障害
ビオチン(B群の仲間) 皮膚を正常に保つ。
アミノ酸や脂肪酸の代謝を促進して皮膚を正常に保つ。
皮膚炎、湿疹、貧血、不眠、脱毛、フケ
葉酸(B群の仲間)★★ 血をつくるビタミン。
赤血球をつくる。核酸の生成を助ける。脳の発育を助ける。
悪性貧血、口内炎、下痢、出血しやすくなる
ビタミンB12★★ 血液の生産を助ける
赤血球をつくる。精神を安定させて記憶力や集中力を高める。子供の成長を促す。
悪性貧血、食欲不振、消化不良、無気力
ビタミンC★★★ 血管を強くし、ストレスへの抵抗力をつける。
毛細血管・歯・骨などの結合組織を強固にする。免疫機能を高める。鉄分の吸収を促進する。抗がん作用。
壊血病、貧血、歯周病、成長が遅れる、風邪をひきやすくなる
ビタミンD★★★ カルシウムの吸収をよくする骨のビタミン。
カルシウムやリンの吸収を助け、骨を丈夫にする
くる病、骨粗しょう症、虫歯
ビタミンE★★ 動脈硬化、老化を防ぐ。
細胞の老化を抑える。生殖機能を正常に保つ。手足などの血行をよくする。
シミができやすくなる、歩行失調、血液障害
ビタミンK★★ 止血・凝固作用に欠かせない。
血液の正常な止血・凝固作用を保つ。
鼻血など出血しやすくなる、出血したときに血が止まりにくくなる、大腸炎、下痢