楽しい宴会ですが、苦労が大きいのが幹事さんです。そこで今回は幹事さんの手助けとなるべく、参加者の体を思いやった宴会運営をご紹介します。「言うは易し行うは難し」というのは百も承知ですが、ぜひがんばって!
お酒を飲むピッチが速く一次会の段階でベロベロ、女の子にからんだり、大声で騒ぎ始めたりという「即席酔っ払い」。皆さんの周りにいませんか?にぎやかで楽しい存在かもしれませんが、幹事にとっては困りものです。
こうなる原因のひとつは、「空きっ腹への大酒注入」にあります。空腹の状態に入ったお酒は、胃を素通りして小腸に流れ込み、どんどん吸収されて肝臓に送り込まれて行きます。肝臓の処理能力を超えると脳に直接入りこんで、「即席酔っぱらい」ができあがります。
たとえ問題児がいなくても、「お酒は食べながら、ゆっくり楽しむ」のが基本です。酔っ払うほどの酒量でなくても、アルコールが空きっ腹に入るのは危険ですし、「食べながら」であれば、アルコールの吸収を押さえることもできます。
おすすめは、一次会の店は、何か特徴のある料理を出す店を選ぶこと。イタリア料理系でも、土佐のさわち風料理でも、秋田のきりたんぽ鍋でも何でもOKです。その上で、出席者にはあらかじめ、「○○料理をお楽しみください」と伝えて、食事に期待感をもたせるといいでしょう。
居酒屋のコースメニューの場合でも、何か一品、期待をもたせるものをオーダーしておくといいのではないでしょうか。
「食べるより飲むのが好き」という人には、意識的に食べるようすすめましょう。面倒ではありますが、大皿料理を小皿に取り分けてやるといった心づかいも必要です。
「上司や同僚の酒杯が空いたら、ささっとつぐのが気の利くヤツ」。サラリーマン社会の常識かもしれませんが、それほど強くもないのに、勧められると断れない人の体調も気遣いましょう。お酒は、自分のペースで飲むのが一番です。最初の乾杯はともかく、「後はみなさん、手酌の無礼講で…」といきたいものです。
これで命を落としている人が数多いのにもかかわらず、酒席を盛り上げる唯一の方法のように思われている「一気とかけつけ三杯」。飲ませ上手、掛け声上手をいかに押さえるかは、幹事の最大の課題とも言えます。
あらかじめ飲ませ上手本人に釘をさすか、上司に相談しておくか、一気が始まったら一言注意してもらうよう、お店の人に頼んでおく…。一気ができる雰囲気ではない店を選ぶのも一手です。
お酒は、楽しい雰囲気で少しずつゆっくり飲むのが基本です。だから、2次会も飲みに集中しないカラオケなどの店を選ぶのがよいでしょう。ウイスキーをボトルで頼む場合、最初は水割りを作って回してしまうのが一番です。
ここまで、幹事が気を使っても、必ず出現する「泥酔者」。以下のような人は、急性アルコール中毒の一歩手前にあります。責任を持って家まで送り届けましょう。
※( )の数字は血中アルコール濃度(%)
急性泥酔状態 (0.16~0.30) |
足元がかなりふらつく、足が立たないなどの歩行障害・記憶障害、怒ったり泣いたりなど、感情が不安定 ⇒これ以上飲まさない。少し落ち着いたら、家まで送り届けましょう。 |
---|---|
アルコール中毒 (0.41~0.50) |
吐き気・嘔吐・著しい運動失調 ⇒吐いた後、ぐったりしているようなら即病院へ。このまま、麻酔されたような昏睡状態に陥り、最後には呼吸停止してしまう恐れがあります。 |
いくらゆっくり飲んでも、長時間飲めばその分酒量は多くなります。また、飲み終わる時間が遅ければ、肝臓でのアルコールの分解が終了する時間も遅くなり、次の日への持ち越し、二日酔いを招くことになってしまいます。幹事が主催する飲み会タイムは遅くとも12時までと決めておきましょう。後は、個人の責任でやってもらうのが無難です。