ストレスは、とかく悪者として扱われがちですが、ストレスはなくても困るようです。「人生のスパイス」と表現されることさえあります。そもそもストレスって、一体何なのでしょうか。
現代社会はストレス社会といわれます。調査によれば、全体の55%の人が「精神的疲労やストレスを感じている」とも。とくに多いのが20代後半の女性で、70%超だそうです。
では、残りの人はストレスがまったくないのかというと、そういうわけでもありません。あまりにも忙しすぎて、自分がくたびれていることに、気づいていないだけかもしれないのです。「あーストレスたまる」「肩こった」と弱音を吐いてばかりいる人のほうが、適当に休みをとったりペースダウンしたりするので、あまり大きな病気にはならないかもしれません。むしろ「ストレスなんてたまっていないよ。元気元気!」という人のほうが、頑張りすぎて、ある日突然大きな病気としてあらわれる危険性を秘めています。
自分のストレスに早く気づいて、それを少しでも解消することが大切です。
ストレスとは、医学的にいうと「なんらかの刺激が体に加えられた結果、体が示したゆがみや変調」のこと。そして、その原因となる刺激のことを「ストレッサー」といいます。
ゴムボールを指で押すと、ボールはゆがんだ状態になります。これが「ストレス」です。そして、押している指が「ストレッサー」ということになります。指を離せば、ボールは元の丸い形に戻ります。しかし、いつもいつも抑えつけていたら、ゆがんだままとなります。体も同じことです。
ストレッサーは、大きくは4つに分けられます。
このうち、「ストレスがたまっている」と感じる人を悩ませている原因のほとんどは、最後の精神的ストレッサーです。しかも、これは複雑で、解決も困難です。
アメリカの心理学者が、ある面白い実験をおこないました。 ストレス(刺激)がまったくない部屋で過ごすと、人間はどうなるかを調べたのです。結果は、以下の通りでした。
つまり、体と心のバランスを保つためには、適度なストレスが必要です。