疾患・特集

パパの水虫は娘が大好き!

とある娘さんが夏になり、足がかゆかったり水泡ができたりどうもミョーな具合と、あわてて皮膚科に駆けつけ事情を説明すると、お医者さんがポツリ。
「お父さんの水虫は、娘さんが好きなのかねえ…。」
感慨深げなお医者さんの言葉に真実はあるのか!

水虫をまき散らす人々

水虫は白癬菌(カビやきのこの仲間)が皮膚にくっつくことから始まる。
菌の成長には当然栄養が必要。
この栄養の元になるのが、皮膚の一番上に位置する角質にあるケラチン。
特に温度が高く、湿気の多いこの季節には水虫の活動が活発になる条件が揃う。
一度とりついて居心地が良くなると、菌は増えて、次々新しいところへはびこっていく。

例えば、自分では右足の親指だけが水虫と思っていたのに、皮膚科で足全体を調べてもらうと、自覚症状はないのにすでに左足のかかとにまで水虫の菌がしっかりついてることもしばしば。
自分の足だけならまだいいが、菌がばらまかれ、ほかの人にうつることも意外に多い。

皮膚の角質層は約1ヵ月ではがれ落ちて新陳代謝を繰り返す。
この皮膚のくずについて菌も一緒に落ち、ほかの人に感染していくことも多い。

お父さんの菌がわざわざ娘を選んでとりつくわけではないが、お風呂上がりの足ふきマットや、トイレのスリッパなどを家族で共有すると、家族にうつる可能性は大だ(菌がついたからといって、即水虫になるわけではない)。

根気よくまじめに治療しよう

どうすれば水虫を娘にうつざずにすむか(もちろん奥さん、息子にも)と言えば、自分の水虫を治すこと。
家族の中から水虫菌を追い払うことだ。
以前は「ハゲと水虫を治す薬を発明したらノーベル賞ものだ」などと言われたが、こと水虫に関してはこれは昔の話。
最近の水虫薬は効き目が強く、持続性の高いものも続々登場しているので水虫は”不治の病”ではないのだ。

薬は“最低1ヵ月”は使い続け、姿が見えなくなっても“2、3ヵ月”治療を続け、水虫を徹底的に追放することが肝心だ。
また皮膚と一緒に部屋の中などに落ちた菌も数ヵ月生きるしぶとさを持っているので掃除機をまめにかけ、足ふきマットなどはまめに洗って、日光でしっかり乾かすこと。
自分の足や足指の間を寝る前などによく石鹸で洗い、菌を洗い落とそう。

水虫に関してはさまざまな民間治療を試みている人も多いだろう。
すべての説が間違いではないが、水虫と思い込んでいたものが実は違う皮膚病だったりすると逆効果ということもあるので、一度きちんと診察してもらうのが、解決への結局は早道だ。

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