疾患・特集

健康保険とは

新しいシステム、定額制

わが国の医療費支払いシステムは、保険料を払いさえすればだれでも等しく医療が受けられる国民皆保険体制のもと、出来高払い制(投薬、注射、検査など診療行為ごとに定められた点数を積み上げて医療費を算定する方法)をベースに成り立っています。
ところが、毎年1兆円ずつ増え続ける医療費に対応するために出来高払い制は、その姿を大きく変えつつあります。
出来高払い制に変わって定額制(個々の診療行為ごとに医療費を定めないで、この病気はまとめていくらという定額払いの方法)が老人医療や小児医療で積極的に取り入れられています。定額制には、過剰な投薬や検査などの医療行為が抑制されるメリットがある半面、病医院側が多くの収益を得るために手抜きをすることもできますから、患者サービスの質が低下していく傾向も指摘されています。

患者の負担も増加傾向

一方、患者の一部負担金額も増えています。1997年(平成9年)9月には健康保険の自己負担率が1割から2割にアップしました。入院費用に関しても、すでに差額ベッド代や食事代が実費になっています。このような傾向は、今後ますます強まっていくといわれています。