疾患・特集

日本の医療制度

量的拡大から質的向上への転換

わが国の医療制度は戦後、量的な拡大を目指して整備されてきましたが、その目的が達成されたことから、1980年代後半より「質的な向上」を目指した施策に転換してきています。
特に高齢社会の到来とともに、戦後の医療制度の枠組みを大きく変える必要に迫られており、医療供給体制の変革が進められています。

総合病院から地域医療支援病院へ

92年(平成4年)の医療法改正で創設された特定機能病院(※1)と療養型病床群(※2)を皮切りに「医療施設の機能別合類」が行われ、98年4月からは事実上総合病院が廃止され、新たに「地域医療支援病院」が登場しました。
地域医療支援病院は、地域の診療所や中小病院を支援する大病院と位置付けられており、医師からの紹介状がなければ受診することはできません。
医療制度の「医療の質の向上」「サービスの多様化」を掲げる一方で、国では老人保健法や国民健康保険法などの制度に対しても、大幅な改革を急いでおり、21世紀のわが国の医療制度はめまぐるしい変化を迎えています。

  • ※1 高度の医療を提供するとともに、高度の医療に関する開発と評価および研修を行う医療機関で、大学病院、国立がんセンター、国立循環器センターが対象
  • ※2 長期療養にふさわしい療養環境を備えている病床群