疾患・特集

病院か診療所か

プライマリ・ケア

病院とは「20床以上の入院施設を持つ医療機関」、診療所 (医院) とは「19床以下のもの」というのが医療法による定義であり、わが国には、約9800の病院と約8万4000の診療所があります。
診療所には、消化器病とか呼吸器病など特定の領域を専門とするものと、一般内科のように専門性を持たないものとがあります。後者は、主に日常的な病気の診断治療と健康相談、在宅医療、保健指導管理の役割を担い、この機能をプライマリ・ケアといいます。

8~9割までは日常的な病気

私たちが医療機関にかかる際の8~9割までは、日常的な、ありふれた病気であり、これはプライマリ・ケアがふさわしい病気です。専門的な医療が必要な残りの1~2割の場合に、時期を失しないように専門の病院を受診する必要が生じます。
病院にかかるか診療所にするか、と迷うのは、日常的な病気か専門的医療を必要とする病気か、自分で判断がつきかねる場合です。このような判断は、プライマリ・ケア本来の大事な役割の1つであり、診療所の医師が必要に応じて2次医療の病院を紹介してくれる場合には、安心して診療所に身を委ねることができます。

慢性疾患の治療は病・診の役割分担で

慢性疾患だから軽い病気だと、自分で勝手に決め込むのは問題です。糖尿病、高血圧、高脂血症をはじめ、何年、十何年か後に色々な臓器の障害が起こると気づかわれる病気が近年増加しており、これらの病気に対しては治療法が年々進歩しています。
このような病気の場合に一番大事なのは、最新の治療法のうちで自分に最適なものを選んで、治療方針を決めてもらうことです。専門病院で治療方針を決め、それに従って日常の管理と指導を身近な診療所にしてもらう、役割分担が治療の決め手となります。