疾患・特集

不眠症とストレス

頭の中の睡眠・覚醒リズムを作る時計

人間がなぜ眠るのかまだ完全に解明されていない今、不眠の原因を特定するのは難しい問題です。
現在では、睡眠・覚醒のリズムが規則正しい24時間の周期性を失ってしまうのが大きな原因だと考えられています。
睡眠・覚醒リズムをつかさどる生体時計は、脳の中の視床下部の近くにある視交叉上核というところにあります。そのため、視床下部を経由して全身に伝達されるストレスなどの心理的な影響を受けやすいのです。

悪い奴ほどよく眠る、の真実

不眠ストレスという言葉があるほど不眠は大きなストレッサーです。
長時間労働によって感じられる疲労感の中で、睡眠不足が加わった場合は週2日程度の休息では疲れが解消されないという調査結果もあります。
一方、不安や緊張の程度によっては、眠りに対する欲求が高まる傾向もあります。眠りが心の疲労を癒やすことを体が一番よく知っているのです。
「悪い奴ほどよく眠る」は映画のタイトルですが、悪事のストレスによって睡眠欲求が高まっている状態と考えれば、真実をついているといえます。