疾患・特集

無意識のストレス因子

自由な視野で、周りを見ていますか

昇進すれば、たいていの人は喜びます。家族も喜んで、ささやかなお祝いの品が食卓を飾るかもしれません。しかし、本当にそういう反応はあなたの正直な気持でしょうか。
環境が突然変化した時、「今はこういう状況のはずだ」という意識が働いて、その鋳型に自分の認識や行動を当てはめてはいませんか?
こういう認識のパターンをスキーマといいます。
現実を自分のスキーマに当てはめて認識することは、新しい環境に対してある程度のシミュレーションができていることになるので、瞬間的には適応が楽になります。
しかし、これでは自分の置かれた状況に正直に反応しようとする心の部分と認識との間に矛盾が起きて、それがストレス因子になる危険性があるのです。

過剰適応の日本人に多いパターン

日本人は、進学でも就職でも周囲の期待に応えて頑張る人が多いといわれます。
一見、自分自身の定めた目的に向かっているようで、実は自分でも気付かずに親や企業の意向を反映していることが少なくないのです。そのため、自分自身の現実に直面することがやや苦手で、よろいのように築き上げたスキーマで対応しようとしがちです。
ところが、変化に富む現代社会に柔軟に対応していくには、それでは無理があるのです。
昇進は喜ばしいこと、だからうれしいに違いない、というような決め付けをしていませんか?