疾患・特集

タイプCの性格と発がん

自分の気持を抑えることを美徳と思っていますか?

体に悪いのは、タイプAばかりではありません。タイプAとは正反対ともいえる性格、タイプCの性格傾向も問題があるといわれます。
タイプCは、物静かでまじめ、自分の気持を抑えて周囲に合わせるという、日本人にとっては美徳とされがちな性格です。
この性格は、一見不動心の持ち主でしんがしっかりしているなどと評価されがちですが、実は緊張や不安、不快感などをストレートに表現できずに対人関係や仕事、環境に過剰適応しているために、ストレスを徐々にためこんでいることが多いのです。

タイプCに多い発がん率

タイプCの性格が注目されるようになったのは、リンダ・トモショックらによってこの性格傾向の人にがんの発生率が多く、また発症した後の症状の経過が良くないということが指摘されてからです。
これは、慢性的なストレスが免疫系に作用してしゅよう細胞に対する免疫力を低下させているためではないか、という仮説が示されています。
もちろん、発がんには遺伝的な要素や生活環境のさまざまな要因が複雑にかかわっていますから、タイプCが必ず発がんにかかわるとは言い切れません。
ただし、免疫力は発がん抑制に大きく関与する生体の力であり、慢性的なストレスは免疫力を低下させることも分かっていますから、タイプCが発がんのリスクファクターの一つになり得る可能性は十分考えられます。
「男は黙って」などという美学にこだわりすぎず、適度に発散することも大切なようです。