疾患・特集

動物の本能を人間に当てはめれば……

正しい闘争本能がありますか?

映画ジュラシック・パークでも描かれていたように、地上の生命は恐竜よりも太古の昔から弱肉強食の中で暮らしてきました。
ただし、常に強いものが勝つというわけではありません。

動物には敵に出会った瞬間、「闘うべきか、逃げるべきか」(Fight or Flight)という判断をする本能が備わっています。
敵を威嚇しながら、瞬間に自分にとっての有利、不利の状況を判断し、機敏に行動する、という反応です。
この本能は、形を変えて人間にもあるのですが、動物と違って、人間の闘うべき敵は一瞬で結果が出るというものではないのです。
そこが、現代がストレス社会と呼ばれるゆえんかもしれません。

緊急時反応は長引かせない

こういう緊急の刺激は、大脳皮質→青斑核→視床下部→交感神経→副腎髄質へと伝えられて、副腎髄質からのカテコラミン分泌という一連の反応が起きます。
こうなると気がたかぶって興奮状態になり、血管は収縮して血圧が上がり、血中のコレステロールが高くなる、といった、状態になります。
動物の場合なら、敵と対峙するのは長くても数分で、闘うにしても逃げるにしても結論はすぐ出ます。
ところが人間の場合、特に時間外労働やノルマに追われる生活を続けていると、このような緊急時反応をずっと続けていることになってしまうのです。
まさに、24時間闘っている、という状態です。これでは、緊急時反応が続いてオーバーヒートになってしまいます。
人と競争し、ノルマと闘い、逃げるわけにもいかないという責任感。
これらの刺激が重大なストレッサーになってあなたのストレス反応をマイナスのものにしようとしているのです。