疾患・特集

アルコール依存症と環境

生育期の家庭環境

アルコール依存症に影響のある環境には、家庭環境、社会的・文化的環境、職場環境の3つがあります。
家庭環境では、特に生育期の環境が大きく関係しているといわれています。具体的には、両親の人格や養育態度、家族構成が問題となります。アルコール依存症の人の約70%が、幼児期に愛情の欠けた両親によって育てられたという調査報告もあります。

イスラム教徒に依存症がいない理由

また、社会的・文化的環境では、飲酒習慣がかなり影響しているようです。例えば、イスラム教徒はお酒を飲みませんから、当然、アルコール依存症の人もいません。
ところが、フランスを中心とするラテン系民族では、お酒を飲むことが日常生活習慣となっています。ですから、アルコール消費量とともにアルコール依存症の人の数も多いようです。

お酒が身近な職場、厳しい肉体労働、緊張は危険

職場環境としては飲食店経営者と従業員、調理師など、直接お酒を扱う機会の多い職業がアルコール依存発症と関連してくると考えられています。
また、厳しい環境での作業や、大変な肉体疲労を伴う労働が要求されるような職業、さらに精神的緊張がいつも要求されることが多い職業も、アルコール依存症になる危険性があるといわれています。