疾患・特集

アルコール依存症の夫婦関係

夫婦関係を悪循環にさせる

アルコール依存症の夫は「女房があんなふうだから、つい腹がたって酒を飲んでしまう」と、言い訳をすることが多いといわれています。
夫がアルコール依存症になる原因には、妻もかかわっているという説もあります。それはアルコール依存症の妻は、ヒステリーな性格が多く、夫に依存的でありながら厳格であり、支配的でもあり、侮べつ的な態度を取るというものです。
しかし、一般的には夫の酒乱が原因で妻が情緒不安定になって、夫婦関係が悪循環に陥ってしまうことが多いようです。
妻は夫のお酒による失敗を恐れるあまりに、夫がお酒を飲むことを責めたり叱ったりし続けます。すると、夫は逃避するためにさらにお酒を飲み続けます。そのことが、妻の不安やかっとうを増強させていくと考えられます。

評価することが断酒の重要課題

また、治療にも夫婦関係が大きくかかわっています。妻は夫の欠点を指摘するのではなく、夫の長所を認めていくようにするべきといわれています。
夫が断酒する気持ちになったことを褒めたり評価することが、断酒する決意を強くするようです。そして、お酒を飲んで起こした問題を自分自身が受け取めることにより、治療が進んでいくと考えられます。
しかしながら、アルコール依存症の人の離婚率は高く、特に最近では離婚せずに耐える妻は少なくなってきました。