疾患・特集

アルコール脱水素酵素(ADH)とは?

NADの助けを借りてアルコールを処理

体内でアルコールを処理する酵素の一つです。主に肝臓でアルコールがアセトアルデヒドに変換される時に使われます。この変換の時にはADHの作用を助けるニコチン酸酵素NADが必要です。ADHの作用を手伝ったNADは自分自身がNADHとなります。
すると、細胞内のNADとNADHの割合が変わってしまいます。NADはADHの手伝いをするだけでなく、たくさんはたらく場所があります。ですから、NADが減ってしまうとスムーズに変換が起こらなくなってしまいます。

胃にも存在する

ところで、ADHは主に肝臓で働いていますが、本来は胃にも存在しているのです。日本酒2分の1合、ビール小瓶1本、ウイスキーシングル1杯程度をたまに飲んだ場合、7割以上が胃で代謝されます。
ところが、量が多かったり、空腹時に飲むと胃の運動によってすぐに小腸に送り出されてしまい、肝臓で代謝されることになります。そして、お酒を飲み過ぎて胃の粘膜を荒らすと、胃に存在するADHは減ってしまい、さらに肝臓の負担が増えます。
また、ADHの処理能力を超えた過剰のアルコールに対しては、ミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)という酵素がはたらき、アルコールを分解します。