疾患・特集

たばこの三悪、ニコチン、タール、一酸化炭素

ニコチンは毒性の強い依存性薬物

たばこの煙に含まれる有害物質の代表格がニコチン、タール、一酸化炭素の3つです。
たばこ1本から出る煙の中には平均で、ニコチン0.1~2.0mg、タール10mg、一酸化炭素 20~30mgが含まれています。

ニコチンは青酸に匹敵する毒性を持ち、極めて短時間に吸収されます。初めてたばこを吸った時、あるいはしばらくたばこを止めていて久しぶりに一服した時に目まいがしたような覚えはありませんか。ひどいときは気分が悪くなったり、鼓動が早くなって冷や汗をかいたりします。
これはニコチンの急性中毒症状です。ニコチンには、中枢神経興奮・抑制作用や、血管収縮、心拍数増加などを引き起こす作用などがあり、現在では依存性薬物と認められています。

酸欠状態をもたらす一酸化炭素

タールには発がん作用があり、ベンツピレンをはじめとする多くの発がん物質を含んでいます。
また、一酸化炭素のヘモグロビン結合力は酸素の 200倍以上あることが知られています。たばこの煙に含まれる一酸化炭素が酸素の運搬役であるヘモグロビンを「横取り」してしまうことにより、体内はいわば酸欠状態となって、動脈硬化そのほかの引き金となるのです。