疾患・特集

あなた、たばこをやめて! 受動喫煙の危険

わたしはたばこを吸わないのに

自分はたばこを吸わないのに他人のたばこの煙にさらされ、吸ってしまうことを「受動喫煙」と呼んでいます。
喫煙者と同じ室内にいるだけで、呼出煙(吐き出された煙)や、有害成分を多量に含んだ副流煙が室内の空気を汚染し、それを吸ってしまうことで、肺がん、虚血性心疾患、呼吸機能障害などの健康被害が生じます。

がんによる死亡率は有意に上昇

日本の40歳以上の非喫煙の妻、喫煙していた妻、それぞれの夫を対象とした追跡調査(平山雄、1990年)で、妻の肺がん死亡例と夫の喫煙について分析したものがあります。
妻の肺がん死亡リスクと受動喫煙の量の関係は、夫や妻の年齢、職業などを加味して計算しても結果は変わりません。
副鼻腔がんに関する調査では、さらにこれを上回る数字が出ています。
妻は受動喫煙によって、自分が喫煙をしたと同じような肺がん、副鼻腔がんなどの発症リスクを負うことになるわけです。

心疾患のリスクはさらに大

また、虚血性心疾患については、約 700人の中高年非喫煙既婚女性を対象に米国で行われた追跡調査で、夫が喫煙者であるか、かつて喫煙していた場合、虚血性心疾患による死亡率は、夫が非喫煙者である妻の14.9倍になるという結果が示されています。
夫が非喫煙者で妻が喫煙者である場合は、もちろん夫が上のようなリスクを負うことになります。