疾患・特集

スポーツ選手と喫煙

たばこで酸素供給が激減

たばこに含まれるニコチンは血管を収縮させて心臓や筋肉に行く血液を減少させ、一酸化炭素は酸素の運搬役であるヘモグロビンと結びついて酸素の供給を減らします。その結果、心臓のはたらきも筋肉のはたらきも弱まり、運動能力が低下します。
短距離テストを行うと、一般に、喫煙者は非喫煙者に比べるとはるかにスピードが落ちます。

好例は西武ライオンズや千代の富士

プロ野球の西武ライオンズが広岡監督の下で常勝将軍だったのは、広岡氏が喫煙や食事のコントロールを含めた選手の健康管理にうるさがられるほど気を使っていたからだと言われています。
また、大相撲の千代の富士が幕内優勝回数31回という大記録を残したのも、大関になる前にきっぱりとたばこをやめたことが原因ではないかといわれています。
千代の富士は、先代・貴乃花(現・二子山親方)に、「オレはたばこをやめられず、横綱になれなかった。お前はたばこをやめ、けいこに励み横綱になれ」と言われたそうです(『ウルフ物語』)。
優れた選手は、酸素の運搬能力を始め体の能力を最大限発揮しなければ、人に勝ち、良い成績をあげることなどはできないことを、まさに体で知っているのではないでしょうか。