疾患・特集

バイオ野菜

世界初は「日持ち向上トマト」

バイオ野菜とはいわゆる遺伝子組み換え植物(作物)のことです。
世界で最初に作られたバイオ野菜は、アメリカのバイオベンチャーであるカルジーン社が開発した「日持ち向上トマト」なるフレーバー・セーバーです。1995年(平成7年)のことでした。
このトマトは、ある遺伝子のはたらきを抑えて酵素を抑制し、実が熟れて柔らかくなるのを遅らせたものです。つまり日持ちするわけで、普通のトマトより1週間以上持つといわれています。実が柔らかくなりにくければ、十分に熟してから収穫することができるうえに、店頭に置ける期間も長くなります。
日本でもキリンビールがカルジーン社と提携して「日持ち向上トマト」の生食用トマトの生産、販売の権利を獲得しており、厚生労働省にその販売を申請しています。

旬のものと同じ味

さて気になる味の方ですが、このフレーバー・セーバーが登場した時にカリフォルニア州バークレーにある有名なレストラン「シェ・パニッセ」のオーナーが、タイム誌のインタビューに答えて「旬のものと同じ味がするが、自分の店で出すのに十分なほどおいしくはない」とコメントしています。
どうも遺伝子を組み換える前のトマトがおいしい品種のものではなかったようです。