疾患・特集

現代人は芋を食べる量が少ない?

欧米人よりアフリカ原住民の方が大腸がんが少ない

食物繊維が大腸がんや大腸の病気の予防に大きな役割を果たしているのではないかという研究は、1972年(昭和47年)にイギリスのバーキット博士とトローウェル博士によって行われました。
これは、肉や乳製品中心の食生活をしている北欧や欧米人と比べると、モロコシなどの雑穀類や芋類、野菜やナッツ類などの植物性食品が主食のアフリカ原住民には、胃腸疾患や大腸がん、便秘などが少ないということが疫学調査で分かったのがきっかけです。

欧米化する日本人の食生活

現在の日本人の食物繊維摂取量は、アメリカやカナダなどよりやや多い程度で、ウガンダやケニアの1/10程度しかありません。
これは日本人の食生活の欧米化で年々減少してきた結果です。
一昔前までは、玄米や芋類を多く摂取する食生活を送っていました。そのため、1969年(昭和44年)の大腸がんによる死亡率は1万人中13.1人で、アメリカの42.2人より大幅に少なく、どちらかというとナイジェリアの5人やウガンダの3.5人に近いほどだったのです。
食生活の多様化は否定すべきことではありませんが、たまには伝統的な日本の食事をしたり、海外のおいしい芋料理を取り入れるなど、バリエーション豊かな食生活で食物繊維を多く取るよう工夫しましょう。