食物繊維の8つのはたらき
食物繊維は消化管全般に作用しますが、その作用は食物繊維の状態、特に水溶性の食物繊維(SDF)か、非水溶性の食物繊維(IDF)かでも異なってきます。
さまざまなはたらきをする食物繊維ですが、そのはたらきを簡単に整理すると、
- そしゃくの回数を増やす
- 消化管運動を活発にする
- 食物の腸内通過時間を短縮する
- 食物成分の消化吸収能を低下させる
- 腸肝循環する胆汁酸を減少させる
- 腸内細菌を変動させる
- 便容量を増大させる
- 腸内圧および腹圧を低下させる
などとなります。
食物繊維の4つの性質
それらのはたらきを起こす元となる食物繊維の性質には主に以下の4つのものがあります。
- 保水性
食物繊維がその組織のなかにどれだけの水分を含むことができるかを示します。
- 粘ちゅう性
ペクチンやカラギーナンのような水溶性食物繊維(SDF)は、水を含むと極めて粘着度の高い溶液になる性質を持っています。
- 吸着性
IDF、SDF共にイオン結合や疎(そ)水結合などによって、胆汁酸を始めとするさまざまな物質を吸着する性質を持っています。
- イオン交換能
分子中にウロン酸を持つペクチンや硫酸基を持つ海藻多糖類のような多糖では、これらの基が多価の陰イオンとなっているので、カルシウムのような陽イオンと交換能を持ちます。