疾患・特集

増えている潜在性ビタミン欠乏症

不定愁訴の要因に

臨床的な兆候は見られませんが、体内の貯蔵量が減少し、生化学的に変化が見られる潜在性の欠乏状態が存在することが分かっています。このような状態は、不定愁訴の要因となったりすることもあります。

国民栄養調査の結果と違う

例えば、ビタミンCの1日の必要量は成人で50mgです。イチゴなら5~6粒、グレープフルーツ1/2個弱、プリンスメロン1/2個が目安といえば、日常で簡単に取れる量だと思うでしょう。若い女性たちの間では、野菜・果物ブームだからです。
実際に、毎年行われる国民栄養調査の結果でも国民一人当たりのビタミンCの摂取量は1日113mgとなっています。
ところが、現実にはそれほど摂取されておらず、血清中のビタミンC濃度が低い潜在性ビタミンC欠乏症の人が年々増加しているという報告もあります。
ビタミンCは水溶性で体内に蓄積されないうえに、加熱や酸化でも失われる量が多いので必要以上摂取することを心掛けたいものです。
国民栄養調査の結果は平均値ですから、約半分の人は平均を下回っていると考えられます。