疾患・特集

血しょう中のたんぱく質が不足すると感染症にかかりやすい?

細菌や毒素を攻撃する免疫グロブリン

血しょうの約90%は水分で、残りの大部分がたんぱく質です。血しょうたんぱくの主な構成成分はアルブミン、α1-グロブリン、α2-グロブリン、β-グロブリン、γ-グロブリンです。
ところで、私たちの体には、体内に一度入ってきた細菌や毒素などの異物を確認して攻撃する免疫力が備わっています。この作用を担うのが抗体で、免疫グロブリンと呼ばれるたんぱく質でできています。この免疫グロブリンの主成分がγ-グロブリンなのです。

抵抗力が落ちるγ-グロブリン不足

つまり血しょう中のたんぱく質が不足するということは、γ-グロブリン不足を意味します。γ-グロブリンが不足すると、免疫グロブリンができにくくなり、異物に対する抵抗力が落ちます。その結果、感染症になりやすくなるというわけです。
なお、γ-グロブリン値が低下する病気に低γ-グロブリン血症というのがあり、臨床的には免疫不全を示します。
また骨髄移植患者などの免疫不全患者には感染症を予防するために、γ-グロブリンが投与されることもあります。