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たくさん食べても太らない!食欲を抑え肥満を予防する夢の薬はあるか?

肥満・肥満症を予防するためには食事の量を減らせばいい。そんなことは頭では分かっていますよね。でもお腹いっぱい食事をしたいというのが人の性というもの。お腹いっぱい食べても太らず、食欲を抑え肥満を予防するような夢の薬があったらどうでしょうか?

国内で利用されている食欲を抑える薬「マジンドール」とは?

わが国で使用されている食欲抑制薬には、マジンドールがあります。
この薬は、1967年に米国で開発されたもので、脳の視床下部にある食欲調整中枢に直接作用し、摂食を抑制します。同時に満腹中枢を興奮させることで食欲抑制効果を促しています。

保険適応になるのは高度肥満症の場合のみ。使用の際は食事療法や運動療法との併用を

現在の日本では、肥満度70%以上、もしくはBMI35以上の高度肥満症に限って、マジンドールを保険診療で使用することが認められています。
しかし、この薬による体重減少効果は5kg前後にとどまることが多く、投薬中止後に再び体重が増加してしまうリバウンド現象が見られることもあります。
そのため、肥満患者にマジンドールを単独で用いることはほとんどありません。食事療法や運動療法と併用するのが有効な使用法であると考えられています。
このほか、褐色脂肪細胞のはたらきを活発にするアドレナリンβ3受容体刺激薬も開発中です。