疾患・特集

クオリティ・オブ・ライフとは

寿命だけで保健や医療の良しあしを語る時代の終わり

少しでも長く生きることが最優先の課題だった時代には、ある地域や国の保健・医療状況の良しあしを測る指標として「寿命(=0歳児平均寿命)」が手ごろな指標として用いられてきました。
しかし、わが国をはじめ平均寿命が飛躍的に延びた先進国では、高齢化社会に突入し、寿命が延びた分だけ人々は何らかの病を患い、病床にある期間も長くなりました。
このような状況に変化するなか、保健や医療の良しあしを寿命で測ってみたところで指標になりにくいのではないかという議論が起こってきました。

QOLが問われる時代の幕開け

そこで、約10年前から「人々が生前にいかなる質をもって幸せに生きたか」、つまり、クオリティ・オブ・ライフ(QOL=人生の質)が、人生の長さと同様に重視されるべきであるといった意見が広まってきました。
現在では、保健や医療状況の良しあしを測る指標として「QOL」が当たり前の時代になり、保健・医療の現場でも「どうすればQOLを高く保ったまま人生を過ごせるか」という課題に力が注がれています。