これはADHDによる仮眠症状でしょうか?
高校生です。授業はほとんど毎回寝てしまい、食事中、会話中、絵を描いている途中、立っている途中も、集中力が切れるといつでも寝てしまいます。
授業中に寝てしまうと先生からは晒し者のようにされ、好きな授業さえも寝てしまうのにとても苦痛を感じています。
どうにか起きようと刺激が強い目薬を刺したり、シャーペンで手を刺したり、立って授業を受けさせて頂いたりしているのですが、どうしても寝てしまいます。
友達や親からは天然だね、と笑われるのですが自分ではとても困っていて、調べてみたとこADHDの不注意優先型の過眠症状に当てはまるように感じました。
振り返ってみると覚えている限り小学校1年生の時から忘れ物やケアレスミスが多く、注意されていました。その日から今日まで、学校に忘れ物をしていない日の方が珍しいです。
毎回他のクラスの人から借りたり、横の人に見せてもらったりしています。
勉強は好きなので、授業が終わった後や休日にどうにか自分で勉強をし直しています。
なのでそこまで勉強の遅れはなく、大学にも入れそうなのですが、とても時間の無駄だと思ってしまいます。復習の時間に当てられる時間が授業中に寝てしまうことで無駄になっています。
好きなことには何時間でも時間を使えて、数学の問題を解いていたら一日が終わっていたということもあります。
もしADHDだった場合、治療法などはあるのでしょうか?
物忘れに関しては本当に大事なことは腕に書いたり、メモを常に持ち歩いて書くようにしているのでまだどうにかなっています。
どの環境でも周りは優しい人が多いので、あまり苦労はしていません。
けれど、過眠症状だけはどうにかしたいです。
何か対処法はありますか?
ADHDの可能性はあると思います
大変詳細に状態をご報告いただきありがとうございました。このようにわかりやすくご報告できることはADHDと真摯に向き合っている証拠だと思いました。
内容からADHDの可能性はあると思います。ADHDの治療は、薬物療法やストレス対処法を学ぶ認知行動療法などの精神療法があります。薬物療法でかなり回復する患者さんもいらっしゃいます。ADHDの専門医受診が望ましいところですが、一般の精神科医であればADHD の知識はあり、治療法も理解しているはずですので、まずはお近くの精神科医をご受診してみてください。集中力が切れると眠ってしまうというエピソードからナルコレプシーも除外診断する必要があると思います。過眠症状が一番お辛いとのことですので、睡眠クリニックでまずは過眠の対応をご相談してみることもよいと思います。
ご相談者は、日常的にもの忘れしないようにメモを書いたり等大変努力されているお姿は素晴らしいです。このような対応で大きな支障がなければ、早急に受診しなくてもよいと思います。受診するめやすは、「いろいろ工夫していても日常生活に支障がある」という状態であると思いますので。
牧野真理子 先生
ドクターご活躍の場所 | 牧野クリニック(東京都中野区東中野) 診療部長 東邦大学医学部客員講師 JICA(国際協力機構)顧問医 優秀臨床専門医 アサヒビール産業医 オレンジページ産業医 日本心身医学会代議員 日本女性心身医学会理事 国際摂食障害学会会員 |
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ご専門 | 心身医学(心療内科) 女性の心身症(摂食障害など) 職場のメンタルヘルス 異文化間メンタルヘルス |
ご経歴 | 国公立大学卒業後、北里大学医学部卒業 メルボルン大学医学部大学院卒業 |
著書 | 『誰も私をわかってくれない:摂食障害・心の迷路』(悠飛社:1999) 『異文化ストレスと心身医療』(新興医学出版社:2002) 『もういいや!!と叫んで心の毒出しができるメンタルデトックス』(祥伝社:2005) 『うつにもいろいろあるんです。』<漫画 細川貂々> (オレンジページ:2011) 【共著】 『医療看護学』(中山書店) 『職場のメンタルヘルス』(南山堂)など多数 【連載】 『からだの本』(オレンジページ)「女性とうつ」連載中 |
所属団体 | 日本心身医学会代議員 日本女性心身医学会理事 国際摂食障害学会会員 |
先生からの一言 | メンタルヘルスの疾患も早期発見が早期回復につながります。 小さなことと思ってももし悩んでいるようでしたらお気軽にご相談ください。 |