おしえて先生

毎日が生きづらいです。仕事に行くのがつらいです。発達障害かもしれないし今後どうしたら・・・

はるのぶ(c18cf61bd5)・40~49歳男性 2020/03/10 投稿

48歳の男性です。
16年前の33歳の時に心療内科からうつ病と診断され、会社を休職。
1年半の休職期間を過ぎた時に、会社から会社都合退職を言い渡され退職。
うつ病を発症したときはプログラマをしており、私には向いている仕事でした。
それによって過労働になり、うつ病を発症しました。
その後は一度も正規社員で勤めることはできていません。

それより、アルバイトなどの非正規でも勤め始めても半年未満で退職してしまい、この15年間で10回以上転職してきました。
ニートで勤めていない時期も間にはあります。
今は、アルバイトでスーパーで働いています。
しかし、生きづらいです。レジを打っても失敗が多く怒られ、品だしも時間がかかり怒られます。
みんなが出来る時間に仕事が終わらず、毎日怒られています。
ですから、仕事に行くのが非常につらいです。

明らかに戦力というよりは、足手まといになっており、それでも採用されているのは、単に都合がいいからだと思います。
そこもあって、迷惑をかけていることが、つらいです。

子供のころから、得意苦手が激しく勉強も数学は学年トップを争えるけど、英語・国語は赤点でした。
注意が非常に欠乏しており、ケアレスミスも多いです。
またいろんなことが目移りし、落ち着きがありません。集中力もなくいろんなものに興味がわき、中途半端に辞めてしまいます。
私としては年齢的にも、穏やかにのんびりと仕事をして穏やかに生活をしていきたいです。荒波に飲まれるのはもう嫌です。

そこで、いろいろ調べたところ、自分の症状が発達障害ではないか?と思うことが多いです。
非常に多くの項目が当てはまります
子供のころから友達はいません。
今は地元の心療内科に通っていますが、診療時間は1分ぐらいなので、相談もできません。

10年以上ここに通院しています。
私は発達障害なのか?今後どのように行動していけばいいか?それを教えていただきたいのが相談内容です。
アスペルガーなのかADHDなのかASDなのか?
私はどういう仕事に就いたほうがいいのか?どういう就職活動をしたらいいのか?今後の身の振り方針を相談したいです。
よろしくお願いします。

まずは、発達障害を診断&治療できる医療機関探しから始めてみましょう

発達障害かどうか心配されているようですね。まずは、この不安を解決するために発達障害の診断と治療が可能な病院を受診することがよいと思います。
保健所や市役所、区役所が医療機関情報を把握しているので、まず受診できる医療機関をお探しになってみてください。

診断されても治療する必要がある場合は通院しなくてはならないので、ご自宅の近くの医療機関がよいと思います。

いただいたお手紙を拝見いたしますと、数学など理科系の科目が良い成績だったということですね。素晴らしい能力ですね。さらにいろいろなことにご興味を持っていらっしゃるということもご長所だと思います。でもご本人にはつらい体験の原因として、これらの特性を持つ発達障害かも?とお考えなんですね。

ご相談者は、ほかの方が持っていない素晴らしい特性があるので、これらの特性を生かした職業に就労できるとよいですね。たとえば、在宅でできる対人関係の部分が少ない仕事、期限に追われない仕事など見つかるとよいですね。地域の就労支援センターなどにご相談すると、仕事のご紹介をしていただけることも多々あります。
順序といたしましては、以下の流れになると思います。
1. ご自宅の近くの医療機関を受診し、発達障害かどうかの診断を受けること
2. 治療が必要なレベルかどうかも見極めていただくこと。(服薬治療もあります。)
3. 通院しながら、地域の支援センターなどにも行き、ご自分の特性に合った職場をご紹介いただく。

症例を簡単に紹介いたします。
50歳 男性 会社員
仕事に集中できず、ミスが多く、いつも上司に注意を受けていた。対人関係も苦手で、いわゆる空気が読めないので、会社では孤立していた。高血圧。糖尿病もあり、主治医から体重を減らすようにと言われていたが、ストレス食いのため100㎏(身長165㎝)を超えてしまった。産業医から発達障害の治療を受けたほうが良いと言われ、発達障害の専門医を受診した。ストラテラが処方された。特に副作用はなく服薬できていたが、自覚的にはどこが良くなったなどは全く分からなかった。しかし、会社の上司は、「落ち着きが出てきてミスが少なくなった。」と評価した。この評価が自己評価を高めることにつながって、ダイエットにも積極的に取り組み体重も一か月に3㎏くらい減少となった。服薬は2年くらい継続していたが、その後は、自分の適性を生かした対人関係の少ない部署(郵便を各部署に配る業務)に配置転換し、会社員を続けている。

発達障害という概念は、精神医学の領域では、一番新しい疾患概念であり、まだ確立した治療法などは研究中といってもよいでしょう。発達障害というとネガティブにとらえる方も多々いらっしゃるかもしれませんが、実は非常に能力の高い方が多く、能力を生かせる仕事を見つけられたら、ご本人にとっても周囲にとってもハッピーです。服薬治療で、症例のように軽快することも多々ありますし、病院や就労支援センターの就労プロブラムなどに参加することによって、ご自分に不足していたスキルを獲得することも可能です。
重要なのは、発達障害をマイナスに考えないことです。むしろ他の人よりも際立った才能を持っているので、自信をお持ちになることです。今仕事に行くのがお辛くても、きっとご自分の特性を生かしたお仕事は見つかると思います。まずは、発達障害を診断&治療できる医療機関探しから始めてみましょう。

ご回答いただいた

牧野真理子 先生

ドクター
ご活躍の場所 牧野クリニック(東京都中野区東中野) 診療部長
東邦大学医学部客員講師
JICA(国際協力機構)顧問医
優秀臨床専門医
アサヒビール産業医
オレンジページ産業医
日本心身医学会代議員
日本女性心身医学会理事
国際摂食障害学会会員
ご専門 心身医学(心療内科)
女性の心身症(摂食障害など)
職場のメンタルヘルス
異文化間メンタルヘルス
ご経歴 国公立大学卒業後、北里大学医学部卒業
メルボルン大学医学部大学院卒業
著書 『誰も私をわかってくれない:摂食障害・心の迷路』(悠飛社:1999)
『異文化ストレスと心身医療』(新興医学出版社:2002)
『もういいや!!と叫んで心の毒出しができるメンタルデトックス』(祥伝社:2005)
『うつにもいろいろあるんです。』<漫画 細川貂々> (オレンジページ:2011)

【共著】
『医療看護学』(中山書店)
『職場のメンタルヘルス』(南山堂)など多数

【連載】
『からだの本』(オレンジページ)「女性とうつ」連載中
所属団体 日本心身医学会代議員
日本女性心身医学会理事
国際摂食障害学会会員
先生からの一言 メンタルヘルスの疾患も早期発見が早期回復につながります。
小さなことと思ってももし悩んでいるようでしたらお気軽にご相談ください。