おしえて先生

腎機能の数値が急に悪くて心配

maruko(#)・60~74歳女性 2016/08/22 投稿

6月27日に受けた健診の結果が届きました。
昨年まで基準外はLDLコレステロール(126) eGFR(56)でした。
今年はコレステロール値は基準内でしたが、クレアチニン(0.92)とeGFRが(48)と腎機能の数値が急に悪くて心配です。慢性腎臓病なのでしょうか?尿にたんぱくは出ていません。 食事の塩分に気を付けるつもりですが、タンパク質も気を付けなければならないか?
ランニングは大丈夫か、教えてください。

これから腎臓に負担をかけないように生活に注意を

eGFRの値が昨年は56で今年が48とのことで、確かにご心配されるように、慢性腎臓病のeGFR区分からは軽度ないし中等度低下の区分に入ります。
しかし、GFRは腎機能を表すには正確性に劣ります。尿中のクレアチニン排泄量も調べてみることが望ましいのです。
筋肉量が増えるとクレアチニン値は高くなり、筋肉が衰えるとクレアチニン値が低くなり、見かけ上腎機能がよくなったように見えることもあります。
幸い、たんぱく尿もないとのことですので、腎機能の低下はそれほど進んでいないと思われます。
これから腎臓に負担をかけないように生活に注意することが必要と思います。高血圧や高血糖を引き起こさないように、塩分や糖分の摂り過ぎに注意します。タンパク質は適量摂取するようにします。タンパク質制限は筋肉量の低下をもたらす危険性があります。
ランニングなどの運動は特に制限する必要はないでしょう。糖尿病や動脈硬化の予防に適度の運動がすすめられます。

marukoさんからコメントをお寄せいただきました。

親切、丁寧なご説明ありがとうございます。
塩分や糖分の過剰摂取にならないよう、薄味の食生活と、無理のない運動を心掛けて、日々の生活を楽しみたいです。
ご回答いただいた

板倉弘重 先生

ドクター
ご活躍の場所 日本動脈硬化学会 名誉会員
日本ポリフェノール学会 理事長
日本栄養・食糧学会 名誉会員
日本臨床栄養学会 理事長
国立健康・栄養研究所臨床栄養部長
ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授
ご専門 動脈硬化、栄養関係、高脂血症、糖尿病、高血圧など 認定臨床栄養指導医
ご経歴 東京大学大学院医学研究科博士課程修了後、同大学第三内科入局。
カリフォルニア大学サンフランシスコ心臓血管研究所留学、国立健康・栄養研究所臨床栄養部長、ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授。
2000年から2010年まで茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科教授。
日本臨床栄養学会理事長、日本栄養改善学会理事、日本栄養・食糧学会副会長、日本動脈硬化学会評議員名誉会員、日本病態栄養学会理事、第33回日本動脈硬化学会総会会長などを歴任。
2006年「瑞宝双光章」受賞。
2009年度国際栄養学連合(IUNS)のFellowに認定(栄養学研究分野で顕著な貢献をした世界の研究者10名の1人)。
2010年「動脈硬化疾患の予防と治療に関する栄養学的研究」により日本栄養・食糧学会功労賞を受賞。
芝浦スリーワンクリニック名誉院長
所属団体 日本内科学会、日本動脈硬化学会 名誉会員、日本ポリフェノール学会 理事長、日本老年医学会、日本肥満学会、日本栄養・食糧学会 名誉会員、日本臨床栄養学会 監事、日本栄養改善学会、日本健康・栄養システム学会 理事長
先生からの一言 楽しく健康になりましょう。