おしえて先生

HepBキャリア(?)で予防接種を受ける意味は

moto(#)・30~39歳女性 2010/03/15 投稿

こんにちは。
一年前に献血でB型肝炎HBsAgが陽性と言われましたが、数ヵ月後に検査した結果、陰性に戻っていました。しかし、抗体(Anti-HBS、Anti-HBC)が共に陰性のままだったので、様子を診ましょうといわれ一年が経過しました。先日血液検査しましたが、未だに抗体が陰性のままでした。Anti-HBs<1.0mlu/mlでした。これはHepBキャリアという事なのでしょうか?

先生から「HepBの予防接種を受けたら?」と言われましたが、去年一度HepBAgが陽性になっていたのに、そして先の検査結果がHepBキャリアだというのであれば、今更予防接種を受ける意味があるのでしょうか?抗体を作る手助けという事でしょうか?

私は今、海外に在住しており、こちらの先生ではよく詳しい事が分からない状況で、正直困っています…。
お忙しいとは思いますが、どうぞアドバイスの方よろしくお願いします。m(__)m

ウイルスの状態によっては…

最近は、技術の発達により献血の血液の中のウイルス検査が非常に厳密に行われるようになりました。核酸増幅検査(NAT)は、その最たるもので、HBs抗原が陽性にならない非常に少ないウイルス量でも、B型肝炎ウイルスのDNAを検出することができます。
通常、NATが陽性で、HBs抗原が陰性の場合は、感染のごく初期であることを意味します。その後、HBs抗原が陽性にならなかったということは感染が成立しなかったとも考えられます。HBs抗体陰性でHBc抗体陰性である場合は、B型肝炎が治った状態とはいえません。つまり、現状はB型肝炎やB型肝炎キャリアになる途中かもしれないし、B型肝炎にかからずウイルスが体内からいなくなったかもしれないし、体の中に休眠中のウイルスがいるような状態かもしれません。
検査を受けるとすれば、再びNATによりウイルスが少しでもいるかどうか確かめるくらいかと思います。そうした状況下では、B型肝炎に対するグロブリン投与やワクチン投与も意味がないことはないと思います。

ご回答いただいた

古家英寿 先生

ドクター
ご専門 呼吸器内科、一般内科、免疫学、臨床薬理学
日本内科学会認定内科専門医、米国内科専門医会上級会員、日本臨床薬理学会指導医、医学博士
ご経歴 山口大学医学部卒業
熊本大学第一内科大学院卒業
先生からの一言 今度からこのサイトで皆さんの御相談にお答えすることになりました。医療に100%はありませんが、皆さんの御役にたてるようにがんばりたいと思います。