マルチなパワーをもつ植物「明日葉」

明日葉の植生から豊富なビタミン・ミネラルなどの栄養素、葉や茎の切り口からにじみだす「黄色い汁」のヒミツまで、明日葉のパワーの源について紹介。

明日葉ってどんな植物?

関東地方や伊豆七島、紀伊半島などの海岸近くの台地や草原などに自生するセリ科シシウド属の植物「明日葉」。とくに八丈島に多く見られるため「ハチジョウソウ」とも呼ばれている。高さは1メートルを超えるものもあり茎は太く、葉は大きく光沢がある。葉や茎を切ると、切り口から黄色い汁が出るのが特徴だ。

明日葉の薬草としての用途は古く、中国の明朝時代に編集された薬草に関する事典『本草綱目』にも登場する。日本では江戸中期、貝原益軒によって完成された『大和本草』にも、八丈島で栽培されている滋養強壮によい薬草として紹介されている。さらに、江戸後期に完成された八丈島の記録書『八丈実記』にも、飢えをしのぎ、精力を増す薬草として紹介されているのだ。

明日葉の育った土地

明日葉が群生している八丈島は昔から長寿の島として知られ、若々しく元気に働く高齢者が多い。また、生活習慣病などが少ないことから、この島の人々の食性や生活への関心が寄せられ、薬草「明日葉」のパワーに注目が集まるようになった。

明日葉はその名のとおり、「今日、葉を摘んでも明日には生えてくる」ほど成長の早い植物である。いちばんおいしいところである新芽をどんどん摘み取っても、面白いようにまた新しい芽が生えてくる。
八丈島では主に海に近い砂地などに群生している。しかし、明日葉は場所を選ばずどこでも繁殖する強い野草であるため、根ごと持ってきて庭に植えてもすぐに増える。最近ではプランター栽培を楽しむ人も少なくないようだ。しかし、しっかり育てるには温暖な気候が条件。日陰で風通しがよく、涼しい場所に置くと成長がよい。

明日葉にはビタミン・ミネラル・食物繊維がたっぷり

明日葉の根強い人気はなんといっても、栄養がバツグンだから。豊富な栄養素で知られるケール(青汁の原料)やほうれん草などの青菜と比べてもビタミン、ミネラル、食物繊維の有量は群を抜いている

また、栄養素のなかでもカリウム、食物繊維を多く含んでいるのが大きな特徴

カリウムの効果

  • ●PH濃度を調整し、筋肉の機能にも影響をあたえる
  • ●ナトリウムとともに体の水分バランスの調節や心拍リズムを正常に保つ

主成分「カルコン」と「クマリン」

「カルコン」と「クマリン」

葉や茎を切ったときににじみ出る黄色い汁には、抗菌作用をもつ「カルコン」と「クマリン」という成分が含まれている。そして、これらの成分にはさまざまなはたらきがあることがわかっている。

「黄色色素カルコン」は「フラボノイド」の一種で、抗菌、抗酸化作用をもっているといわれている。食用の植物に見られるのは非常にまれである。また、クマリンはセリ科の植物に多く含まれる香りの化合物で、抗菌作用などが知られている。

更新日:2003年10月6日

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