がんってどんな病気なの?

がんとはどんな病気で、どんな種類があるのでしょうか。がんに関する基礎知識をご紹介します。

体内の細胞が突然変異でがん細胞に

人間の体は約60兆個の細胞からできています。これらの細胞は、古くなったものは死んで、また新しい細胞ができるという繰り返し(新陳代謝)を常に行っています。
というのは簡単ですが、古くなった細胞の代わりに、まったく同じ新しい細胞が生まれるなんて考えてみれば不思議な話ですよね。なぜなのでしょうか?それは、細胞の設計図である遺伝子が存在するからです。

現在、がんは遺伝子の異常が原因で起こる病気と考えられています。

がん細胞の発生と進行

がん細胞の発生と進行1 がん細胞の発生と進行2 がん細胞の発生と進行3 がん細胞の発生と進行4

ぎりぎりになるまで、自覚症状が出にくい

がんの進行する段階は、病巣の大きさや深さ、周囲の組織にどのくらい広がっているか、手術が可能かなどの視点から診断されます。なお、がんの進み方は、体の部位によって異なるので、進行段階の決め方もそれぞれ異なっています。

ここでは、胃がんの例を紹介します。

段階(病期) がんの進行 自覚症状など
早期がん もっとも内側の粘膜層でがん発生します。数年間は粘膜にとどまりますが、少しずつ増殖。粘膜下層まで広がります。 自覚症状はほとんどありませんが、胃がん検診などで発見されることが多いようです。早期の段階で手術を受けた場合の5年生存率は90%以上です。
進行がん がん細胞が筋層〜しょう膜に達した状態です。胃の中のほかの場所や、リンパ腺や肝臓などほかの臓器へ転移しやすくなります。 胃周辺の痛み、嘔吐、腹部のしこり、おなかがはる、便が黒くなるなどの症状が出ます。5年後の生存率は40〜50%(転移のない場合)です。

進行がんがさらに進んでほかの臓器へがんが転移し、全身状態が極度に悪くなると、手術などで治すことはできなくなります。このような状態を「末期がん」といいます。
がんは、早期の段階で見つければ治る可能性が高くなります。ですが、この時点では自覚症状のないことが多く、定期検診が重要といわれるのはこのためです。

がんは体内のいろいろな部位で発生する

医学的には、がんは悪性腫瘍などと呼ばれます。腫瘍とは「腫れ物」という意味。がん細胞が増殖すると大きな腫れ物のようになるからです。腫れ物といえば、いぼやポリープなどを思い出す人もいることでしょう。これらは転移して、ほかの臓器に害をおよぼしたり、命にかかわるものではありません。そこで、悪性腫瘍と区別して良性腫瘍と呼ばれています。
悪性腫瘍は、発生する細胞の種類によって次の表のように分類されています。

がんの種類

■がん腫

消化管や呼吸器粘膜、肝臓などの臓器を作る上皮細胞から発生します。さらに、次のように分けられます。それぞれ性質が違い、治療法も異なります。

分類 がんの発生する部位 特徴
扁平上皮がん 皮膚、食道、喉頭、口腔、膣、陰茎、陰嚢、外陰、上顎、子宮けい部、肺 リンパ腺や血管を通ってほかの臓器に転移しやすい
腺上皮がん 胃、腸、乳房、肝臓、腎臓、胆のう、前立腺、甲状腺、卵巣、子宮体部、肺 いわゆる、内臓に発生するがんを指す
未分化がん どの臓器にも発生する 扁平上皮がんか腺上皮がんかはっきりせず、発生しやすい部位も特に決まっていない

■肉腫

上皮細胞以外の細胞に発生します。筋細胞、神経組織の細胞など発生する部位によって次のように分けられます。

分類 がんの発生する部位 特徴
肉腫 骨、筋肉、繊維細胞(神経の細胞)など 胃や腸などの筋細胞に発生するがんや、一部の脳腫瘍も肉腫に含まれる
悪性リンパ腫 リンパ節、脾臓、扁桃 これらは、血液の悪性腫瘍とも呼ばれている
白血病 骨髄
多発性骨髄腫 骨髄

表を見てわかる通り、がんは体中のどの組織でも発生する可能性がありますが、発生する部位によって性質が異なります。がんという病気がわかりにくいのは、この複雑さのためです。
なお、同時に2つ以上の臓器でがんが発見されるケースもあり、このようなケースは「多重がん」と呼ばれています。

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