症状・治療・お金…家族が生活習慣病にかかった日

ある日、家族の誰かが病気にかかったら…。どんな症状、痛みや苦しみがあるのでしょうか。金銭的苦痛、精神的苦痛などは、どうなっているのでしょうか。しっかり考えてみましょう。

ここでは、もう一度3大生活習慣病と呼ばれるがん、虚血性心疾患(心臓病)、脳卒中などを中心におさらいします。
なお、治療費は個人差が大きいのであくまでも目安と考えてください。また、医療保険が摘用されるので実際の負担はサラリーマンで3割になります(高額療養費については別途返還される制度もあります)。

がん

ウイルスや細菌、放射線や紫外線、たばこ、遺伝子などが原因で、体の中の正常な細胞が悪性なものに突然変異を起こしてしまう病気です。 悪性の細胞はどんどん増殖し、体をむしばんでいきます。日本人の死亡原因の第1位です。

手術などで治すことのできる「早期がん」の段階では無症状のことが多いようです。
つまり、自覚症状が出たときには、ある程度進行していることが少なくありません。定期検診が必要と言われるゆえんです。
種類によって症状はいろいろありますが、代表的なのは、しこりや腫れ、出血、痛みなどです。以下、生活習慣が大きな原因と言われている「胃がん」「肺がん」「大腸がん」について、ご紹介します。

胃がん

早期には症状はありません。進行するに従って、胃の痛み、胸やけ、吐き気などがあります。
治療はがんの切除が基本となります。早期なら、開腹はせず、内視鏡(胃カメラ)を使います。これができない場合は開腹して、がんができている場所を切除することになります。場合によっては胃を全部摘出することもあります。
進行がんの場合は、抗がん剤を併用することが多いです。

肺がん

早期には症状がないことが多いようです。ただ、風邪のほかの症状はないのに、咳だけがしつこく続いたり、咳と一緒に出た痰に、血が混じるなどの症状があるケースもあるようです。
治療法は手術が最も効果的なようです。場所によっては、胸を開かずに、胸腔鏡下内視鏡手術で病巣を取り出すことも可能です。

大腸がん

いちばん多い症状は、便に血が混じることです。血液といっても目に見えないものもあり、便潜血反応を調べる検便が重要になります。このほか、便が細い、便秘と下痢を繰り返すなどのときも注意が必要です。
治療は胃がんと同様、早期であれば大腸内視鏡で開腹せずに診療が可能です。

■治療費の例

早期胃がんを手術して治療(入院)…約80万円(入院中の食事は除く)

虚血性心疾患

狭心症、心筋梗塞など血管や心臓の病気です。
心臓を取り囲むように走っている冠動脈が油がたまり、細くなったり血管が固くなったりするのが冠動脈硬化。そのために血流が不足したときに起こるのが狭心症です。
血流が完全に途絶え、その先の心筋が壊死してしまうことによって起こるのが心筋梗塞です。心筋梗塞になると、心筋がはたらかなくなるポンプ不全(急性心不全)と不整脈により死亡することが多いようです。高血圧、脂質異常症(高脂血症)などが原因で起こります。

検査などで冠状動脈硬化がみつかれば、その治療を行うことになります。治療法としては、血管の中に細長い風船のようなものを入れて膨らまし、つまったところを直す方法(PTCA)がまず考えられます。これでは治療が難しい場合は、俗に「バイパス手術」と呼ばれる手術が行われます。
運動などをすると胸が重苦しくなったり、締め付けられるように痛んだりということが起こる場合、一度病院で検査をしてもらった方がいいでしょう。

■治療費の例

心筋梗塞の緊急治療で、PTCAが行われた(入院)…約150万円
バイパス手術が行われる場合(入院)…約240万円

脳卒中

脳にある動脈がつまったり(脳梗塞)、出血したり(脳出血)、動脈のこぶ(動脈瘤)が破裂したりして(くも膜下出血)、脳に障害を与える病気です。いったん発病すると、死をまぬがれたとしても、からだのマヒ、言語障害、意識障害などの後遺症を残すことが多いようです。高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿症などが原因に挙げられます。

脳卒中はどれも発症したらすぐに病院で治療を受けないと危険です。
症状は、急激に出るものが多く、起こった部位によって異なります。意識障害、運動麻痺、言語障害などの明らかに脳の症状と思われるものだけでなく、頭痛、嘔吐、フラフラ感といった症状のみの場合もあるので、注意が必要です。
くも膜下出血は基本的に手術を行います。脳梗塞、脳出血は部位によるが手術が行われることもあります。一般的には内科による治療を行います。
しばらくは入院が必要となり、半数近くの人が後遺症によるハンディキャップを負っています。

■治療費の例

脳卒中の救急救命処置にかかる費用(1日目)…約8万円(検査料も含む)
手術の費用(脳動脈瘤入血管クリッピング) …約56万円(麻酔料も含む)
手術後のリハビリ入院費用(20日分)…約40万円(食費は除く)
※手術前後の入院費用は省略しています。また、手術後、後遺症があった場合のリハビリ入院は、3ヵ月ぐらいかかるようです。

そのほかの病気

糖尿病

体内で栄養分としてのブドウ糖を細胞に送り込むとき、必要なインスリンというホルモンの作用が低下してしまうと糖が吸収されません。そのために血液中の糖分濃度が高くなって尿にあふれてしまう病気を糖尿病と呼びます。この状態をそのままにしておくと、血管や神経、腎臓、目など、全身のいたるところに障害が出てきます
治療法は食事、運動療法が基本ですが、それでも血糖が高いときは血糖降下剤やインスリンなどの薬物療法を行います。

■治療費の例

週1回通院して、飲み薬による治療を行う場合…1ヵ月約1万5000円

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

人の骨組織には骨を作る細胞と、骨を破壊する細胞があります。歳を重ねると、骨を作る細胞の機能低下や破壊細胞の活動が盛んになって、骨の硬い部分がもろくなり、骨折しやすくなるのがこの病気です。女性ホルモンが関係し、閉経後の女性に多くみられます。
治療法は、骨折しない限りは、カルシウムの多い食品を摂り、カルシウムの吸収を促進させるビタミンDを増やすために日光の下で体をよく動かすことが基本となります。

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