

本企画の中で実施したアンケート調査の結果についてまとめた。
寄せられた回答からは、放射能の健康への影響を示した情報が少なく、健康への不安を皆が抱えながら生活している実態を改めて感じさせられる結果となった。
実施概要
| 実施期間: |
2011年8月15日〜12月5日 |
| 有効回答者数: |
234名 |
| 内訳: |
男性:92名、女性:142名 |
| 年代: |
10代:5名、20代:18名、30代:46名、40代:68名、50代:56名、60代:28名、 70代以上:13名 |
| 地域: |
北海道:6名、東北地方:30名、関東地方:118名、中部地方:19名、近畿地方:38名、中国地方:9名、四国地方:7名、九州地方:6名、その他1名 |
本アンケートの有効回答数は234、男女比は2:3で女性が多かった。年代別では30代から50代を中心に10代〜70代以上まで幅広い年代の回答を得た。地域別では、関東地方、東北地方の方から回答が全体の6割を占めており、東日本で関心が高かった。

Q:福島第一原発事故による放射能の健康への影響に不安を感じますか?
放射能の健康への影響に不安を感じるかとの質問には、「とても不安を感じる」との回答が51%と過半数を占めた。「少し不安を感じる」と回答した25%と合わせると全体の76%であった。「あまり不安を感じない」、「全く不安を感じない」との回答は合計18%であった。
放射能が健康に与える影響について、大半の方が何らかの心配を抱いていることが判明した。

アンケート回答者の声:不安感編
- 6ヵ月の息子がいます。どのように生活すれば安全・安心なのか、明確なことが分からないため、毎日が不安でいっぱいです。いつになれば外出しても大丈夫なのか、何を食べればいいのか、洗濯物はずっと外には干せないのか。もし被ばくしていたら、初期症状にはどのようなものがあるのか、どのように対処すべきなのかを知りたいです。(20代・女性・茨城県)
- 日々放射能の影響を受けているだろうと思いつつ、特別な対策などができていないまま生活しています。日々どのようなことに気をつければいいのか、適切な情報がどこで得られるかが分かりません。このサイトでそれらの情報が得られることを強く希望します。(30代・女性・神奈川県)
- 福島に住んでいるので、心配しすぎはかえって健康によくないと思い、最近はあえて開き直り、よい方に考えています。みんなが、もし自分の住む所での問題ならと考えて欲しい。(30代・女性・福島県)

Q:放射能による健康への影響について理解できていると思いますか?
放射能による健康への影響について「良く理解できている」、「理解できている」の回答を合わせると約半数の人が健康への影響を理解していると回答した。不安を感じる方は多いが、健康への影響をきちんと理解しようとする前向きな姿勢の方も多いことが分かる(図2)。

健康への影響を理解できているかどうかの度合い別に見た不安感の割合を図3に示した。どの理解度でも「とても不安に感じる」割合が高い傾向に違いは見られないが、「全く不安を感じない」と回答した割合は、「良く理解できている」と回答した方がもっとも高い。これは、放射能について調べ良く理解した結果、健康への影響については問題ないと結論した方もいることが推測される。

アンケート回答者の声:理解度編
- 正しい情報を提供して欲しいのが一番だが、専門家でも見解の相違があり意見が分かれるとどちらを信じればよいか迷う。データの蓄積にも時間がかかり、半減期が長いなど将来への影響の方が気になる。原発以外の放射能(自然にあるもの、医療機器など)との対比などで影響があるかどうかも情報があれば参考になると思う。(60代・男性・岩手県)
- あまりに神経質になりすぎているように思う。メディアの過剰反応が国民に不安を煽っている感があります。未知の領域の多い放射能に振り回されるよりもタバコ、アルコールなど身近な生活習慣の改善により注意をした方が現実的。(70代以上・男性・千葉県)

Q:放射能による健康への影響について、政府、マスコミ、インターネットを含む世の中の情報の量は十分だと思いますか?
情報の量に関しては、「情報が少なすぎる」と感じている人が全体の71%を占めた。マスコミ、インターネットを通じて放射能に関する情報は大量にある状況ではあるが、「健康への影響」を的確に示した情報は少ないと感じる方が大半という結果となった。

アンケート回答者の声:情報編
- 報道を通じて、政府高官の発表が場合によっては理解しがたいものが多い。もっと国民に分かりやすい報告をして欲しい。(40代・女性・北海道)
- 雨水は地下に染み込むし、海の水は世界中を回流している。そんな中でもっと広範囲に汚染されたものがあるのではないかと不安に思うが、必要以上に神経質になっていては生活していけないとも感じる。政府はもっと本当のことを発表し、学者はもっと分かりやすく説明して欲しい。(40代・女性・兵庫県)
- インターネットなどの普及でいろんな情報があふれているため、全くの素人が頭でっかちになり過ぎているように思う。ある程度の知識は必要だけれど過敏すぎる傾向にもあると思います。深く掘り下げれば掘り下げるほど、食品や住環境の安全に過敏な人たちが大騒ぎをするように思えます。適度な情報提供というのが一番です。あまり極論を提唱しすぎるとパニックになると思います。(30代・女性・大阪府)

Q:原発事故による健康への影響について、どのような情報が必要だと思いますか?〔複数回答〕
どのような情報が必要かについては、「食品・水産物の放射能汚染の情報」が25%、「子どもへの健康への影響」が23%、「土壌の放射能汚染の情報」が21%、「放射能で増加する可能性のある病気」が21%であった。「高齢者への影響」を除けば、どの情報も基本的に重要であると考えられており、必要だと感じる方が多い結果となった。
その他の意見では、「科学的に正しい情報」「正しい知識を身につけるための情報」といった研究の進展を待ち望む声や、正確な放射能汚染の状況を望む声が多かった。
![図5:どのような情報が必要だと思うか[複数回答]](img/enq/graph_05.gif)
アンケート回答者の声:情報の種類編
- 食品の放射能検査を全般的にやって欲しい。数値を発表して、その情報の中から食品を選ぶ権利が欲しい。
(40代・女性・愛知県)
- 保育士をしています。子どもたちを外で遊ばせていいのかといつも考えています。地元自治体は専門家を招き、講演会を開いて安全をアピールしていますが、果たしてそれが真実なのか不安です。特に最近は空気中の放射線よりも、土壌汚染で食べ物への影響がとても心配です。(40代・女性・群馬県)
- 定期的に食料品の放射線量を測定して公表して欲しい。その数値をスーパー店頭でも公開してもらいたいし、食品メーカーも使用産地の記入をして欲しい。暫定規制値ではなく、以前の基準値レベルに戻してもらいたい。
(50代・女性・東京都)