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新たながん治療法!免疫チェックポイント阻害剤とは?

日本人の死因の第一位「がん」。その治療法は、手術、抗がん剤、放射線による治療が一般的ですが、第四のがん治療法として免疫治療法が注目されています。そのなかでも、新たな治療方法として注目されている「免疫チェックポイント阻害剤」をご紹介します。

がんの免疫治療法について

がんは、日本人の国民病としても有名な病気で、日本人の死因の第1位(平成24年厚生労働省調査より)にもなっているくらい身近な病気です。

がんの治療方法といえば、これまで三大治療法と呼ばれる、手術、抗がん剤、放射線による治療が一般的とされていました。そんな中で、第四のがん治療法として、新たに注目されている治療法が、免疫治療法です。

免疫治療法とは、体が本来持っている免疫能力を高めることでがんを治療していく方法です。

がんの三大治療法は外部の力を借りて治療するのに対して、免疫治療法は、体が本来持っている免疫能力を使用することによってがんと闘うところが、ほかの治療と大きく異なる点です。

この免疫治療法の最大のメリットは、ほかの治療方法よりも副作用に苦しむことがはるかに少ないことです。

免疫チェックポイント阻害剤って?

そんな免疫治療法の中でも、新たな治療方法として注目されているのが「免疫チェックポイント阻害剤」を使用する方法です。

では、免疫チェックポイント阻害剤とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

がんの免疫治療法は、これまで免疫機能の攻撃力を高める方法が中心でしたが、最近になって、がん細胞が免疫のはたらきにブレーキをかけて、免疫細胞の攻撃を阻止していることが明らかになりました。

そこで、がん細胞のブレーキとなる部分を阻害する薬が用いられるようになりました。それが、免疫チェックポイント阻害剤です。

がん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞には、活性化しすぎて暴走するのを防ぐために、ブレーキ役としてはたらく免疫チェックポイントと呼ばれる分子が備わっています。がん細胞はこの細胞のはたらきをうまく利用して、免疫からの攻撃を逃れています。

免疫チェックポイント阻害剤を使用することで、T細胞が本来の力を発揮し、がん細胞を攻撃することで、がん細胞が増えることを食い止めることができると考えられています。

新しい治療薬としても期待の高い免疫チェックポイント阻害剤

免疫チェックポイント阻害剤は、幅広い種類のがんに適用できることも魅力であり、異例のスピードで薬事認証され、今では国内外を問わず世界中で臨床試験が始まっています。

免疫チェックポイント阻害剤の使用による副作用は、臨床試験では今のところ発疹や下痢程度と報告されており、副作用も少ないといえるでしょう。

免疫チェックポイント阻害剤は、がんの新しい免疫治療薬としても注目度が高くなっており、現段階では費用が高額であることがネックとされていますが、この問題がクリアできれば、今後普及もあり得るでしょう。

公開日:2016/04/25