疾患・特集

下痢にお困りの人は必読!よくある原因を知っておこう

ときには腹痛を伴うこともある下痢は、誰もが一度は経験しているのではないでしょうか。下痢の原因、予防、対処法をご紹介します。

あなたの下痢の原因は食べ物?ストレス?それとも…

イメージ:腹痛

ときには腹痛を伴うこともある下痢は、誰もが一度は経験しているのではないでしょうか。大腸は、最終的に便となる内容物を肛門に向けて送る「ぜん動運動」という動きをします。ぜん動運動の活発化により、内容物の通過スピードが速くなりすぎて水分が十分に吸収されなかったり、大腸が分泌する水分量が多くなりすぎたりすることで、下痢は起きます。その原因には以下に示すとおり、実にさまざまなものがあります。

下痢の主な原因

【食中毒】(細菌・ウイルスなどによる食あたり・水あたり)

  • ●賞味期限がきれたものを食べた
  • ●調理してから時間が経ったものを食べた
  • ●生もの(刺身、生カキ、生野菜、生肉、生卵 など)や、十分に加熱調理されていないものを食べた
  • ●飲み慣れない水(旅先の水、硬水のミネラルウォーター など)を飲んだ
  • ●旅先の水で作られた氷が入った飲み物を飲んだ

【消化不良】

  • ●脂肪分や糖分の多いもの(揚げ物、焼肉、菓子、ジュース など)を食べすぎた・飲みすぎた
  • ●刺激の強いもの(香辛料を多く使った料理、コーヒー、炭酸飲料 など)を食べすぎた・飲みすぎた
  • ●水分を摂りすぎた
  • ●お酒を飲みすぎた

【ストレス】

  • ●精神的なストレス(学業、仕事、人間関係 などによる)がたまった
  • ●体を冷やしすぎた(冷房、気温の低下、冷たいものの飲食 などによる)

【その他】

  • ●薬の影響
  • ●風邪、過敏性腸症候群[IBS]、潰瘍性大腸炎、大腸ポリープ などの病気
  • ●乳製品(牛乳、チーズ など)を摂取すると下痢になりやすい体質

…など

急性・熱なしは大腸を休め、慢性・熱ありは病院へ

下痢が一時的な急性のもので、発熱がない場合は、大腸を休めて、市販の薬などで対処しましょう。慢性的に下痢が続き、発熱がある場合は、病気の症状として現れている可能性があるため、医師に相談する必要があります。

下痢の対処法

●大腸を休める

食物繊維が多い食品(ごぼう、れんこん など)や刺激の強い食べ物は控え、おかゆや野菜スープなど、大腸に負担をかけない料理を食べるようにします。魚は白身魚、肉は鶏のササミを選ぶとよいでしょう。
脱水症状を起こさないために、水分補給は欠かせません。飲み物は濃すぎない冷ましたお茶や、常温の飲み慣れたミネラルウォーターなどを、少しずつ飲むのがおすすめです。

●市販の薬を服用する

市販の下痢止め薬には、以下のようないくつかの種類があります。パッケージに書かれている表示などを読んで、自分の状態や考えられる原因に合うものを選びましょう。ただし、慢性の下痢で、発熱があるときは、病院を受診しましょう。

  • ・大腸のぜん動運動を正常化することで、水分量の調整も正常化させるタイプ。もっとも一般的な下痢止め薬です。
  • ・乳酸菌の働きで、腸内菌のバランスを整えるタイプ。いわゆる整腸剤です。
  • ・神経の働きを抑えて大腸のぜん動運動を抑制し、水分量を調整するタイプ。急な下痢に有効で、水なしで飲めるものもあります。

こんなときは、すぐに病院へ!

長期にわたって下痢が続く場合や、高熱・血便などほかの症状がある場合、程度が重い場合などは、病気が隠れているかもしれません。特に、脱水状態の恐れがあるほどの下痢は、できるだけ早く治療する必要があります。早期発見のために、早めに医師に相談しましょう。

下痢の予防には、原因に応じた生活習慣の見直しが大切

下痢の予防には、日頃の健康管理が欠かせません。食べすぎ・飲みすぎに気をつけ、下痢の原因となる食べ物・飲み物(脂肪分や糖分の多いもの、大腸への刺激が強いもの など)は控えるようにしましょう。乳酸菌を含むもの(みそ、漬け物、体質上問題なければチーズやヨーグルト など)や、ペクチンという成分を含むもの(りんご、みかん、柿 など)を食べると、整腸作用が期待できます。
また、十分な休息や運動などで、ストレスを発散させることも大切です。下痢になりやすく、毎回パターンが決まっている人は、原因を避けられるように生活習慣を見直しましょう。

公開日:2015/06/22