朝目覚めてすぐ、くしゃみが止まらない、鼻づまりがつらく感じるなどの症状が出る「モーニングアタック」。多くの花粉症の人たちを悩ませているこの症状の、原因と予防法について紹介します。
花粉症と長年付き合っていれば、花粉シーズンに外出するときのマスクやメガネの装着などを、当然のこととして実践できている人は少なくないでしょう。それでもなかなか対策しきれないのが、朝の時間帯です。目が覚めてすぐに、くしゃみや鼻水が止まらなくなったり、鼻づまりが普段よりもつらく感じたりします。これは、俗に「モーニングアタック」と呼ばれる現象で、多くの花粉症の人たちを悩ませているようです。
モーニングアタックの原因のひとつとして、起きてすぐの時間帯は、自律神経のバランスがまだうまくとれていないことが挙げられます。昼間は交感神経が優位になるため、体はくしゃみや鼻水などの症状を抑えようとします。しかし、眠りから覚めてすぐは、副交感神経が優位にあります。このため、症状をうまくコントロールできず、モーニングアタックが起きると考えられています。
もうひとつの原因として考えられるのが、睡眠中や起きた直後の花粉の吸い込みです。目が覚め、起き上がろうとすると、たとえわずかな動きであっても、布団や床に積もっていた花粉は自然と撒き上げられてしまいます。それを吸い込み、症状が現れている可能性があります。
花粉の吸い込みによるモーニングアタックを防ぐには、通常の花粉症対策と同じく、薬の服用とともに、できるだけ花粉との接触を避けることが大切です。
以下で紹介するような予防法をきちんと行ってもなかなか改善されない場合は、主治医に相談しましょう。
外に干すと花粉が付いてしまうので、可能であれば布団乾燥機などを利用するのが望ましいです。外に干す場合、ポイントとなるのは時間帯。花粉の飛散量が比較的少ない午前中に干すようにします。中に取り込むときは、布団をはたいて花粉を落としましょう。
たとえ外に干さなくても、外から持ち込まれた花粉が布団に付くことはあります。寝ているときや起きた直後に吸い込まないように、布団に付いた花粉は、軽く濡らしたタオルなどで拭き取っておきましょう。口や鼻の近くにある花粉がもっとも吸い込まれやすいので、特に枕のまわりは念入りに拭いておくと良いでしょう。
風呂に入る、あるいはシャワーを浴びることで、全身の花粉を洗い流すことができます。日中に体に付着した花粉を寝室まで持ち込まないために、普段は朝の入浴を習慣としている人も、花粉のシーズンは夜に入浴することが勧められます。
花粉症の薬に期待したいのは、1日のどの時間帯であっても、効き目が持続していることです。薬によって飲む回数は異なるが、朝の時間帯でも効き目が続いている状態を保てるように、就寝前の服薬を忘れないようにしましょう。
起きたときに吸い込まないよう、空気清浄機で室内の花粉を取り除きましょう。自動的に運転の開始や停止ができるタイマー機能を備えたタイプであれば、それを使って、眠っている間に除去するのも良いでしょう。
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