疾患・特集

女性ホルモンと便秘の意外な関係

不快感だけでなく肌荒れや吹き出物なども伴うため多くの女性を悩ませている便秘。特に、女性ホルモンが関係しているといわれる、生理前の便秘について、詳しく解説します。

どうして?生理の前は便秘になりがち

何日も続けて排便がなかったり、たとえ排便があっても、量が少なかったり…。便秘は、すっきりしないことによる不快感だけでなく、肌荒れや吹き出物なども伴います。そのため、女性の大敵と呼ばれるほど、多くの女性を悩ませています。

便秘の原因として挙げられるのが、水分を十分に摂れていないことや、運動不足、不規則な食生活などです。さらに、定期的に便秘になる女性の間では、生理の前に、便秘になる傾向があることが知られています。この生理前の便秘は、女性ホルモンがもつはたらきと関係しています。

生理前の便秘と関係する「黄体ホルモン」

女性ホルモンには、生理の終了後から排卵までに多く分泌される「卵胞ホルモン」と、排卵後から生理までに多くなる「黄体ホルモン」の2種類があります。このうち生理前の便秘には、黄体ホルモンが大きく関わっています。
黄体ホルモンは、女性の身体を妊娠に備えた状態にするホルモンで、子宮内膜を整える、食欲を旺盛にするなどのはたらきがあります。また、精神的に不安定になったり、些細なことでイライラしやすくなったりするのも、黄体ホルモンの影響によります。

これらのほかにも、黄体ホルモンにはさまざまなはたらきがあります。特に次のはたらきが、排卵から生理の数日前までに、女性を便秘傾向にします

便秘と関係する黄体ホルモンのはたらき

●大腸からの水分吸収を促進するはたらき

黄体ホルモンには、体を妊娠に備えた状態にする目的で、体内の水分量を維持するはたらきがあります。黄体ホルモンの分泌量が多くなる生理前は、体内に水分をためるため、大腸が食物の水分を吸収するのを促進します。すると、大腸の中の便は水分が減って硬くなり、排出されにくくなります。

●子宮の収縮を抑えるはたらき

黄体ホルモンは、排卵後に妊娠が成立した場合に備えて、腸を動かす筋肉にも影響を及ぼします。その結果、便を肛門へと運ぶための腸の蠕動(ぜんどう)運動が減って、便が排出されにくくなってしまいます。

生理がきても便秘が解消されなければ、水分の摂取や運動を!

生理の時期になると黄体ホルモンの分泌量が減り、体内に蓄えられた水分が排泄されて腸の蠕動運動も戻ってくるため、便秘が解消されることが多いようです。それでも便秘が解消されない場合には、食物繊維が豊富な食物や水分を積極的に摂ったり、適度な運動を心がけたりするようにしたいもの。

ただし、便秘は病気の症状として現れることもあります。女性特有の病気である子宮内膜症や子宮筋腫のほかに、40歳以上であれば大腸がんの可能性もあります。様子がおかしいと感じたら、医師に相談しましょう。

おすすめ!便秘を解消するストレッチ

手軽にできて、便秘の解消に効果的なのが、ブリッジのポーズです。息を吐きながら腰を上げ、その状態で10回ほど腹式呼吸をしたら、息を吸いながらゆっくりと腰を下ろします。これにより、腸が刺激されて、排便が促されます。

おすすめ!便秘を解消するストレッチ

公開日:2012/03/26