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見て楽しい・食べて美味しい!新顔野菜たち

「新顔野菜」はどこからやってきた?

野菜が増えている

見慣れない野菜が増えている。
スーパーの野菜コーナーに行くと、見たこともないような野菜に目を奪われる。通常の何倍もあるお化けサイズ、まるでパッションフルーツのような華やかな姿かたち。見るだけでも楽しいこれらの野菜はいつ、どのようにして生まれたのだろうか?

そもそも「新顔野菜」に定義はなく、大まかに言って次のようなジャンルの野菜を「新顔野菜」と呼んでいるようだ。

  • 1. 料理の専門家のみが使用し、一般には流通していなかったもの
  • 2. 海外から輸入されたもの
  • 3. 品種改良によって生まれたまったく新しいもの

たいていはこのどれかに該当する。品種改良によってできた野菜は、従来の野菜の良いところをかけあわせているため、味も良く、栄養価も高いことから人気は急上昇中だ。

新顔野菜はアピール上手?

「はなっこりー」は山口県農業試験場で中国野菜のサイシンを母親、ブロッコリーを父親として育成され、1996年より栽培され始めた山口県の新しい野菜。いわゆる品種改良によって誕生した新顔野菜だ。地元では「はなっこりー」を市場に浸透させるため、イメージキャラクターやテーマソングまでつくられ、積極的な販売促進が展開された。以前からある野菜にくらべ、新顔野菜はその特徴を生かした宣伝攻略も目立っている。

出世頭は「エリンギ」

株式会社日本能率協会総合研究所が1997年と2004年の2回、消費者に対し新顔野菜の購入経験について調査したデータがある。それによると、2回目の調査で購入経験が最も増えたのは「エリンギ」で7→64%と57ポイントも増加。「水菜」31→64%、「フルーツトマト」16→47%、「ゴーヤー」20→50%、「ルッコラ」7→35%と続き、これらの野菜は7年間で大出世を遂げたと言える。食生活の多様化など消費者側のニーズに沿い、今後ますます野菜の種類はにぎやかになっていきそうだ。

グラフ:目新しい野菜の購入経験

野菜不足に期待のニューフェイス!

グラフ:年々減り続ける野菜消費量

新顔野菜の存在感が増す一方、私たち消費者が野菜を食べる量は、じつは減ってきている。健康意識が高まり、野菜の栄養価や健康効果に関する興味・関心も高まっているにもかかわらず、じっさいに口にする量はどんどん減ってきているのだ。20代、30代では目標量(1日350g)の約7割しか野菜を摂取できていないという報告もある。「もっと食べなくてはいけない」と認識している人が多いにもかかわらず、現実には野菜離れが進んでいると言っても過言ではない状況だ。

見て楽しい、食べて美味しい新顔野菜なら、子どもたちもきっと抵抗なく食べてくれるはず!野菜消費の減少に歯止めをかけるためにも、新顔野菜の役割がますます期待される。

公開日:2007年9月3日