ますます寝苦しくなる夏。朝起きたら、真っ赤な刺し傷が…なんて経験は誰にでもあるだろう。
蚊は、まず発生源を防ぐことが予防のひとつ。家の周りに置いている空き缶や使っていないプランターなどに雨水を溜めておくのは禁物だ。梅雨の時期に、こまめに雨水を除去しておくことが快適な夏を過ごすポイントになる。
蚊にさされたくないという人の強い味方になるのがスプレーやシートタイプなどの虫除け。ただし紫外線予防のために日焼け止めを塗っているときは気をつけたい。とくにシートタイプの虫除けの場合、せっかくの日焼け止めを拭きとってしまう恐れもあるからだ。そんなときは、両方の役割を果たしてくれる長袖の着用がベスト。最近は日焼け止めに、虫をよせつけにくい香料などを使った商品や腕、腰などにつけられる虫除けもあるので、上手に利用しよう。また、寝るときに重宝するのは「蚊帳」。一時期は姿を消していたが、改めてその良さが見直され、現代の生活環境に合わせたベッド用も売られている。
野山で注意したいのが大きな公園のわき道などにあるハチの巣。高い木の上や枝と枝の間にあることが多いが、意外にもスズメバチの巣は土のなかにあることも。知らずに近寄ってしまい刺されてしまうこともあるので注意が必要だ。スズメバチは何度か刺されるとアナフィラキシーショックが起こり、死亡するケースもある。スズメバチは巣を見つけたら、専門家に駆除を頼み、自分で処理をしないようにしよう。
毛虫はツバキやサザンカの木を好むが、実はスズメバチのえさとなるのがこの毛虫。毛虫の幼虫をみつけたときにも早めに駆除しておこう。
ハチや毛虫には毒性があるものもいるので、野山に行くときには帽子、長袖、長ズボン、手袋は必須。首周りにもタオルを巻いて徹底的にカバーしよう。これは草によるかぶれの予防にもなる。
日本でも蚊が媒介する感染症は数例報告されているものの、蚊に対してそのような認識を持ち、予防を徹底しているという人は少ないのが現状だ。しかし海外ではそうはいかない。熱帯・亜熱帯地域を中心に、蚊が感染症の媒介役になってしまっているのだ。とくに注意すべきはマラリア、デング熱、ウエストナイル熱、日本脳炎の4つで、いずれも感染すると発熱や頭痛などが続く。旅行先の状況を事前に調べておくとともに、とくに蚊が多く発生する夕方の外出には携帯用の蚊取り線香や、虫除けスプレーなどを使い、長袖、長ズボンを着用しよう。
蚊やハチ、毛虫などに刺されたときにも、かゆみがひどいからといってかきむしってしまうと患部から細菌感染してとびひになってしまうこともある。昔から、ハチやブヨ、アブなどはアンモニアをつけると良いと言われているが、刺激が強すぎるので使用は避けたい。刺し傷の跡を残さないためにも、草むらや木の多い場所に行くときには、殺菌消毒剤と抗ヒスタミン剤(塗り薬)を持参して早めに対処を。子どもは「かいたらダメ」と注意していても、ついかきむしってしまうもの。夏場は爪を短めに切っておこう。
洋服や肌につけると効果的。ただし直接肌につけるときには、必ず精製水やホホバオイル、グレープシードオイルなどのキャリアオイルで薄め、事前にパッチテストをしてから。洋服も変色が気になるときは目立たない裏側などで確認してからにしよう。
部屋の壁に吊り下げたり、枕もとに置けば、虫が寄って来にくい。自分の好みの香りを選ぶことで、リラックスや安眠効果も得られる。