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本当は体にいい!肉の健康効果

ダイエット、生活習慣病予防と健康を気にするときに、何かと目の敵にされるのが「肉」。だが、肉は吸収のよい良質なアミノ酸やビタミン類を豊富に含む、栄養豊富な食品だ。そこで今回は肉の持つ栄養効果に大注目!最近、何かと話題になる羊肉、馬肉、鯨肉についても一挙ご紹介しよう。

アミノ酸は心と体のマルチサポート役だ!

アミノ酸は心と体のマルチサポート役だ!

肉の持つ栄養素、たんぱく質をギリシア語で言うと、「プロテイン」。「第一」という意味だ。このことからもわかるように、筋肉や内臓の構成要素となるたんぱく質は、生命を維持する上でなくてはならない栄養素である。それだけではない。たんぱく質を構成するアミノ酸には次のような効果がある。

アミノ酸の効果

  • ●集中力を高める
  • ●精神を安定させる
  • ●シミやシワを防ぐ
  • ●風邪をひきにくくする
  • ●体力を増強する
  • ●二日酔いを防ぐ
  • ●脳のはたらきを向上させる
  • ●記憶力を保つ

アミノ酸は神経伝達物質の材料になるばかりでなく、肌の組織を形成し、免疫細胞の材料にもなる。また、疲労物質の発生を抑え、肝機能をもサポートする。まさに心身のマルチサポート役というわけである。もうひとつ注目したいのが、「うつ予防効果」。必須アミノ酸のひとつ、フェニールアラニンは、抑うつ症状を解消し、気分を高揚させるはたらきを持つ。
アミノ酸をとくに多く含んでいるのは、なんといっても動物性たんぱく質だ。したがって、肉の摂取量が極端に少ないと、大切なアミノ酸を摂ることができず、体や心にいろいろな不調が現れる可能性がある。適切な分量を心がけさえすれば、肉は強力にあなたの健康をサポートしてくれるだろう。

3大ミートの栄養効果を知ろう

牛肉…たんぱく質と鉄分の王様

牛肉

良質なたんぱく質と鉄分がいっぱい。必須アミノ酸も豊富に含まれている。とくに赤身の肉には、吸収されやすいヘム鉄やビタミンB12が多い。亜鉛も多く、貧血や風邪の予防、味覚障害の改善、成長促進が期待できる。

豚肉…ビタミン B を摂るならコレ!

豚肉

ビタミンB1の多さはダントツ。疲労回復、ストレスの緩和、風邪予防に効果がある。さらに悪玉コレステロールを下げるオレイン酸やステアリン酸も多い。体の皮膚や神経を健康に保つナイアシンも豊富だ。

鶏肉…ビタミンAとコラーゲンの宝庫

鶏肉

アミノ酸のバランスがよい。カルシウムの吸収や、皮膚の保水性をアップするコラーゲンもたくさん含まれている。このほか、肌荒れに効果のあるビタミンAも豊富なので、美肌づくりに最適な食品と言えるだろう。

お肉の脂肪が気になる場合は、煮たり蒸したりすれば、余分な脂肪も落とすことができ、ヘルシーに食べることができる。焼く場合には、フライパンや鉄板より、網焼きの方がおすすめだ。

知っておきたい 話題の肉の栄養効果

羊肉(ラム、マトン)

ビタミンB12、胃腸病や皮膚炎を防ぐナイアシン、老化の予防やリスクを下げる可能性があるといわれるビタミンEがいっぱい!また、コラーゲンが多く、皮膚や骨、目の老化防止効果が期待できる。がん予防やアレルギー体質、関節痛の改善効果も。脂質の代謝を促進したり悪玉コレステロールの蓄積を防ぐカルニチンも豊富なので、ダイエットや生活習慣病予防にもよい。

馬肉

馬肉は牛肉や豚肉より低カロリーで、健康的な食品だ。また、エネルギー源となるグリコーゲンは牛肉の約3倍。カルシウムも牛肉や豚肉の3倍とされる。ビタミン(A・B12・E) 、ペプチド、リノレン酸も豊富。鉄分も豊富で、貧血予防に効果がある。

鯨肉

低脂肪、低コレステロール、低カロリーの三拍子が揃ったヘルシー食品。血管系の病気やがん予防によいとされるエイコサペンタエン酸(EPA)や、脳のはたらきを活発にするドコサヘキサエン酸(DHA)などの不飽和脂肪酸が多いことでも知られ、生活習慣病の予防効果が期待できる。

公開日:2006年12月4日